全日制の姫 2 (ページ14)

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姫64 ページ14

放送室に入ると、轟くんはまず私にハンカチを貸してくれた

『ヴゥ…ありがとう…』

轟｢わかったから…泣くなよ｣

優しく頭を撫でられる

これが凄い好き。

轟｢まず…昨日は悪かった。すまない。

今から全部正直に話す。聞いてくれるか｣

『うん…』

嫌いって言われたらどうしよう

もう家来んなって言われたらどうしよう

轟｢いいか、1回しか言わねぇからな…俺は

Aが好きだ。｣

『うん…うん、？？？』

私が…好き？

『お願いあと1回』

轟｢もう言わねぇよ｣

そう言ってそっぽを向く轟くん、耳が真っ赤だった

『じゃあ…私がもし聞き間違えてなかったら…ってことでやるね』

轟｢…おわ！｣

私は轟くんに突進した

轟くんは体幹が強いから難なく受け止めてくれた

『いい匂いだね、轟くん』

轟｢なんだよ急に｣

そう言いながらも優しく撫でてくれる

『轟くん、めっちゃ、心臓の音するね』

轟｢そりゃそうだろ｣

『ずっと…離れないでいてくれる？』

『ここ卒業しても…一緒にいてくれる？』

轟｢当たり前だろ…｣

轟くんは、今までにないくらい優しい声で、頭を優しく撫でてくれながら、ぎゅっとしてくれた

『私もさ…轟くんがずっと好きだったよ、何かあったらすぐ来てくれて…いつも守ってくれて…すごいヒーローみたいだもん』

轟｢これからもAのヒーローでいるよ俺は｣

そう言うと轟くんは優しく私の方を見て、フッと笑った

その笑顔のおかげで

なんか胸に昨日からあったつっかけは消し飛んでしまった

しかし

轟｢まずはそのどうしようもねぇクマ何とかしろよ

一睡もしてないんだろどうせ｣

『あ』

轟くんには全ておみとおしのようだ。

轟｢寝るか？｣

『うん』

そう言って私はソファに寝た

轟くんは、放送室の椅子に座った

うーん。ソファには枕がないのに

『轟くん』

轟｢何｣

『こっち来て』

轟｢いいけど｣

轟くんを呼んで、ソファに座らせた

『丁度いいかも』

ほー、これが俗に言う膝枕か

とても良いかもこれ

轟｢俺身動き出来ないんだけど｣

『はー、轟くんいい匂いする』

轟｢人の話聞けよ｣

そう言いながらも、私が寝れるように優しく頭撫でてくれるあたりさ。

『おやすみ』

轟｢うん、おやすみ｣

こうして私は夢の世界へと旅に出たのだ