全日制の姫 2 (ページ13)

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轟63 ページ13

朝。
教室に入ったがAが居なかった

『Aは』

辻｢まだ来てねぇよ？｣

『そうか』

時計を見ると7:50。普段ならもう学校にいるはず

多分図書室だろうな。

ーーー

『居た』

案の定図書室にいた

しかも机に突っ伏して爆睡していた

昨日寝れてなかったんだか。

『Aおきろ…って…は』

Aを起こそうと思い、顔を見ると若干頬が赤く、瞼が腫れていた

泣いてたんだろうか

『どうしたんだよ…』

最近本当にAが気になる

いや前から気になっていたが…

Aは司と仲がいいのは知っていた。

Aが笑顔で過ごせているのが嬉しい反面、

俺から離れて行くんじゃないか。

そう思ってしまった。

村山は｢そんな簡単に壊れる関係じゃねぇだろ｣と言っていたが

そう思ってるのは俺だけかもしれない

いつか壊れてしまった時を考えるだけで怖い

『A…笑ってる方が可愛いわ馬鹿』

泣かないで欲しい

Aの頬を撫でてみた

…可愛いな

『はぁ…本当に…』

自分の顔に熱がこもる

夏のせい

夏のせい

A｢んん…轟くん…？｣

『悪ぃ…起こしたか』

A｢うんん…｣

まだ脳は起きてないようだ。

どんだけ爆睡してたんだ。

『A、寝てないだろ』

目の下にクマがあるようにみえる

A｢だって…｣

そう言った瞬間、Aはポロポロと泣き始めた

A｢轟くんと…みんなと…離れちゃうって…考えたら悲しくて…

いつか…轟くんと一緒に課題やったり。できなくなるのが悲しくて…昨日も…なんか、ずっと素っ気なくて…嫌われたと思って…｣

昨日…あー。そういうことか

『A、ここじゃ話しにくい。俺らの部屋行くぞ』

A｢ｸﾞｽ…うん…｣