2･再会 ページ3
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結論から先に言おう。
彼にはすぐに会えた。
５歳になって個性が出た私。
個性の特訓中に、母が私を呼んだのだ。
母の元へと行くとそこには一つの家族が。
「この人達はママとパパの知り合いなの。お隣に引っ越してきたの。で、この子が二人の子供の…」
「･･･ひょうが、たくみ」
「仲良くしてね」
一目見ただけで私にはわかった。
この子が、彼であると。
そのあとの私の行動は早かった。
母とその友達、つまり彼の母に「遊んでくる!!」と言って家を飛び出し近くの公園まで走ったのだ。
「久しぶりだね、A」
公園についたその時、工は私の名前を呼んだ。
『ほんとにっ、ごめんさいッ！』
「どうして？」
『だって、私のせいで工がっ』
「僕は気にしてないよ。Aを助けたかった。
ただ、それだけだよ。僕が好きでやったことさ」
きみが、気にする事はないよ。
そう言って工は頭を撫でてくれた。
こういうのは変わってないね。
本当に優しいんだ。
「で、聞きたいんだけど。この世界はどういうこと？」
『…ここは僕のヒーローアカデミアっていう漫画の世界だと思う。個性がその証拠』
「なるほど。Aは知ってるんだね？」
『もちろん、私が大好きだった漫画だから』
「だったら問題なんてないだろ。君の知識で、この世界を生きよう」
『ッ、うん！』
思わず溢れた涙を工は拭ってくれた。
涙脆いのはこっちのお母さんの血があるからかな。
『私の個性は【魔法】。念じれば大体のことは出来るの。治療だって、出来る』
「僕の個性は【氷】。触れたものを凍らせることが出来る」
『この世界ではヒーローっていう職業があるの。私は絶対にそのヒーローになる』
「夢が、あるっていうのはいい事だけど、無理はしないでね」
優しく笑って工は頭を撫でてくれた。
前世でもよく頭を撫でていた工。撫でるの好きなの？
それでも、工と再会できたのは大きい。
『ところで工のその髪、どうしたの？』
「生まれつき」
『なにそれ、初めてみたっ！』
「少しは静かに。そろそろ戻らないと母さん達が心配する」
私達は帰宅した。
家は隣なので、会おうと思えばすぐに会える。
この再会は私のヒーローへの、第一歩だったのだ。
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作者名：yuumi0421 | 作成日時：2018年3月15日 20時
