#40 ページ41
.
あと数メートル、というところで誰かに呼ばれ、振り替えると
MK「…先輩、何処へ行くんですか。」
「…っそれは…」
冷たい目をした、モカちゃんが私を見ていた。
一歩ずつこちらに歩み寄るモカちゃん。
…どこへ行くか？
…そんなの、言えない。
言いたくない。
ぐるぐると巻き起こる不安と焦りで固まっていると
モカちゃんが、はっと目を見開いて、そして
MK「…っもしかしてユンギおっぱの所ですか…？」
「…っ、」
悲しそうに辛そうに、振り絞るように声を出した。
MK「…っアヤ先輩、行っちゃ駄目です。」
「でもっ…！」
ぐっと私の腕を掴み、行かせまいと私にすがってくるモカちゃん。
両目からは、涙が溢れていて。
MK「…私から、ユンギおっぱを取らないで下さい…！
私はっ…、ユンギおっぱが居ないと…
いつもひとりぼっちっ…。」
「…モカ、ちゃ」
なんだかモカちゃんの言うことは、全て苦しくて。
モカちゃんは泣いたまま、小さな声で喋り出した。
MK「…両親は、私が中１になる前に亡くなったんです。
…それも、夏祭りの日に。」
「…、」
モカちゃんはうつむいたまま喋り続けた。
MK「…毎年、家族と夏祭りに行くのが恒例だったので、その年も一緒に行くことになってたんですけど…。」
「…もしかして、」
MK「…はい。夏祭りが行われてる周辺で、交通事故に合って…
私を庇った両親は、気づいた内に、もういなくて。」
「…そんな…」
私も、見たことがある。
その時、夏祭りに行ってたから。
事故現場に行ったら、血塗れの両親に泣き付く女の子が居て。
そしたらその時、
MK「泣きじゃくる私を、慰めてくれたのが」
「…ゆんぎ君。…だよね。」
見かけは今と全く違うけど、雰囲気がゆんぎ君で。
颯爽と現れたゆんぎ君は、泣き止まないモカちゃんを抱き抱え、夜の道に消えていった。
MK「…あの時ヒーローが来たのかと思って。
顔をあげたら、ニッコリ笑うユンギおっぱが居て。
…あぁ、好きだなぁ、って思ったんです。」
そういったモカちゃんの顔は、凄く安心したような、柔らかい表情で。
「…モカちゃんが言ってた、ゆんぎ君との“約束”って何？」
なんだか思わず口走ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユンギ推し - 現実になればいいのに… happy end楽しみです！頑張ってください！ (2020年1月18日 12時) (
レス) id: e24d00c6ce (このIDを非表示/違反報告)
Biglove - ユンギ推しさん» 安心して下さい！必ずHappyendにして終わらせますので(笑)ぜひ最後まで読んで下さい！ (2020年1月16日 20時) (レス) id: c56102b41d (このIDを非表示/違反報告)
ユンギ推し - Bigloveさん» 作者さんには怒ってないので安心してください！モカ…さんに怒ってます！、 (2020年1月16日 18時) (レス) id: e24d00c6ce (このIDを非表示/違反報告)
Biglove - あっ！ごめんなさい！思い出しました！『MK→モカ』です！新キャラなんですけど…。お話で、名前を出したほうが良かったかもしれません���� (2020年1月16日 17時) (レス) id: c56102b41d (このIDを非表示/違反報告)
Biglove - 本当は『MY』が正解です。夢主の親友、『マヤ→MY』。…大丈夫ですかね…？間違えないように、気を付けます！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: c56102b41d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湯海 | 作成日時：2020年1月13日 9時
