【ハイキュー!!】魔術専門学校『悠々学園』 Part.４

犬猿とまでは行かないが〜理事長室〜 ページ48

行くなら行くで早く向かいたいところではある。

「んー、どこがいいかなー。あ、解散でいいよねかいさーん」

行き先を考えながら適当に解散を指示する徹先輩。

「じゃあ、俺は戻るぞ。余り暴れるなよ」

赤葦京治が想像よりは柔らかい言葉を残し、闇に溶けて去った。

……あれ、嫌味の一つでも言われると思ったんだけどな。

特に理事長にあんな態度を取っていたから……でも何も言わないのか。

まあ、私も思うところがあって応戦できる気はしなかったので、助かった。

「あれ。研ちゃんと光馬鹿は帰りなよ。ざっきーは一緒に打ち上げ行くし」

と。二人が帰らずに残っているものだからそんなことを言う。

「A、おれと一緒に行こ」

「そんなら俺も行くぜ。三人で(・ ・ ・)なんか食いに行くぞ！」

「うん、そうしよ」

と、両脇を固められた。……おっとー？

「はー？ ざっきーは俺と一緒に行くんですー、というか二人でデートするんですー！」

デート？？

まあ、二人で出かけるなら、そうだな？

「前から思ってたけど。及川、さん。Aに対して、馴れ馴れしい。離れて」

「友達なんだから当たり前でしょ？ 研ちゃんこそ何、普段だったら口出ししないのに」

「おれの、幼馴染だから。悪影響だから、だめ」

「失礼だね！？」

やけに研磨くんが、徹先輩に食い下がる。

「今のうちに抜けるか」

『なんつー算段してんだ』

ぼそりと呟いた西谷くんについツッコミを入れた。

『というか、どうしたん。徹先輩と打ち上げ行くの不味い？』

「つか、属性大会後の打ち上げ憧れてたんだよ。

　龍とか力とかは割と良好な関係だから、話聞いててさ」

……火属性と木属性か。

確かにあそこは、というか。属性混合以外は仲がよさそうだった。

「良いなー、って思ってたんだよ。そりゃ、別に俺ら仲良くないけどさ。

　去年も勝って、で何も無くって。ちょっと寂しくね？」

『せやな』

それは、思った。

『徹先輩ー』

今も尚舌戦を繰り広げていた二人に向かって声を掛ける。

『明日一緒に遊びに行きましょうか』

「へ？」

『なんか、西谷くんと研磨くんと一緒にご飯食べたくなったので、今日はごめんなさい。

　代わりに明日の9時からとか、一緒に遊びに行きませんか？』

恥ずかしながら、和国時分はまともな人間関係を構築していなかった。

のでこれで気分を害するかどうかがわからない。

「…………。

　仕方ないなぁ」

と、徹先輩は笑った。

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