【ハイキュー!!】魔術専門学校『悠々学園』 Part.４

教師陣による講評〜理事長室〜 ページ45

落ち込んでいる透明先生を無視し「では、次私ですね」と理事長が話し出す。

あ、無視ですか。あと透明先生からの講評何もなかったね……。

「今年も属性混合は誰も本気では臨んでくれませんでしたね。とても悲しい。

ですが生徒間の戦闘としてバランスを取ってくれて良かったです」

ざっくりと属性混合全体の評価。

全員の表情を窺ってみれば、やっぱり誰も変わりない。

……まあ、本気じゃないよね、知ってた。

「及川くん。クイズでの回答見事でした。

　やはり追加してよかったです、また今度お話ししましょうね。談話室行くので」

「あ、良いですねー。待ってますね」

徹先輩は割と嬉しそうに反応する。結構良好な仲みたいだ。

「赤葦くんは……また後でいいですよね？」

「本気か？」

「木兎に声掛けときますねー」

先ほどの会話は本気だったようだ。回避できずに顔を強張らせた赤葦京治は置いて、次。

「西谷くん、リレーの第二走最速クリアおめでとうございます。能力の扱いがぴか一でしたね」

「あざっす！」

端的に返し一礼。けどやっぱり嬉しそうだ。

「孤爪くんはあの、全体的に素晴らしかったですね。

　リレーで作った『白鳥の湖』いくらで売ってくれます？」

いくらで売ってくれます？？

「え……もう入畑先生に、あげた」

「なんてこったい」

なんてこったい？？？

理事長が唐突に交渉始めた、終わってた。なんだこれ？？

目を瞬かせると正気に戻ったらしい、理事長が咳ばらいを一つ。

「えーっと、来年も楽しみにしてますね」

「……うん、あ、はい」

こっくりと頷きを一つして、研磨くんも終わり。

さて、と理事長がわざわざ私と向き直った。

そんな所まで特別扱いは要らないんですが。

「閃穏嵜さん」

私と目を合わせていることがわかる。

『はい』

そんなに不味いことでもあったろうか。

「楽しかったですか？」

と。何を言われるかと思えば。

『楽しかったですよー』

初めての属性大会。色々と失敗したけど、総合的に考えれば良い思い出になりそうだ。

うん、間違いなく楽しかった。

「じゃあ、止める気はありませんか？」

『転校してきたばっかりなんですけど』「茶化すな」

と。流石に怒られた。

他の人の前で聞いといて、何を。

『無いですよ。何のために日本国に来たと思ってる。

　態々、貴女の話に乗ってまで』

「……そうですか」

ふぅ、と息を吐かれた。

……しまった、他の人の前なんだって。

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