妖怪と捕食〜暗い森〜 ページ11
どうして私はここに居るのだろうか。
暗い森に来るときって、毎回望まずに来ている気がする。
とはいえ今回は憎き
「なんでお前遊びに来ねぇんだよー！」
天敵と呼べる妖怪、木兎光太郎だ。
『……いや、そんな遊びたい相手でもないし』
「酷いっ」
酷いのは放課後になった瞬間、壁も何もかもをすり抜けて目の前に現れた木兎の方だろう。
悲鳴も上げる間もなく誘拐された。こわい。
『で、木兎はなんで私を誘拐したの』
「まあまあ、そんなカリカリすんなって！
いやー……ちょっとな」
とても嫌な予感がする。
「魔力分けて」
かわい子ぶりながら言ってくる内容は、全く可愛くない。
『絶対に嫌』
「そんな冷たいこと言わないでくれよー」
暢気に笑っているように見えるけど、実際どうなんだか。
魔力を分けるのは、そんなに簡単じゃない。
魔力の塊である精霊は特例。手を触れるだけで渡せるし。
妖精も、まあ。彼らには肉体はあるけれど、殆ど魔力で出来ている。ので少しだけまし。
人間も魔力分けるのはとても面倒だけど。
ダントツで魔力を渡したくない相手が妖怪なのだ。
木兎の目が細められたのを見て、ぶるりと体が震えた。
「言っておくけど」
近づいてくる。怖い。
「まだ精霊の主じゃない混ざりものを、噛み殺すくらい簡単だぜ？」
ぶわりと、目の前の妖怪の纏う魔力が膨らんだ。
瞬間、死を錯覚した。
まずい。
まずいまずいまずい、勝てっこない、相性が悪すぎる勝てない、逃げられない、怖い。
「まあ、やんねぇけど」
と、その声と同時に魔力が萎んで。ほんの微かに放たれる程度に収まった。
一瞬で掻いた冷汗が服に滲んで気持ち悪い。
浅くなっていた呼吸を、何とか深く吸った。
『妖怪の言う友達って、何なの……』
少なくとも恐喝は人間では友達に行う所業じゃない。
木兎はその言葉に悩んだのち、明るい表情で言った。
「殺し合う相手のことだな！」
『価値観の差で死にそうだよ』
ダメだ、力が抜けた、というか腰が抜けた……。
落ち葉の上に腰を落とすと、木兎が頭上で笑う。
「な、魔力分けてくれるだろ？」
寄越さなきゃ殺すと言われている気分だ。
『……死なない程度にしてね……』
抵抗する気は失せた。というか、抵抗した瞬間に死にそう。
戦うにも相性が悪すぎるので勝てる道筋はほぼほぼ無いし。
まだ私命捨てたくないの……。
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甘味香涼(プロフ) - 愛衣さん» 幕間読、ご了承いただき有難うございます。励みになります。今後も更新頑張りますので、良ければ読んでいってください。愛衣さんもコロナに気を付けてくださいね！ コメントありがとう御座いました！ (2020年4月24日 17時) (
レス) id: 66ef20161f (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - part 4の〜幕間〜見させてもらいました。パスワードの件了解致しました。作者さんは作者さんのペースでコロナに気をつけて更新頑張ってください！！ (2020年4月24日 0時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)
甘味香涼(プロフ) - 零咲さん» コメントありがとうございます！ 一週目から読んでいただけてるのですか…！ とても嬉しいです。今後も更新していきますので、これからもよろしくお願いします。零咲さんも体調にお気を付けてくださいませ。 (2020年4月21日 21時) (レス) id: 66ef20161f (このIDを非表示/違反報告)
零咲(プロフ) - 修正前から読んでいて、久しぶりに開いたらリメイクされていて一気に読んでしまいました！！1週目とはちょっと違うストーリーも面白い…！！体調に気を付けて更新がんばってください！楽しみにしています。 (2020年4月1日 11時) (レス) id: e968e40239 (このIDを非表示/違反報告)
朔咲(プロフ) - コメント失礼します。part５からのパスワードを教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします！ (2020年4月1日 2時) (レス) id: 6cb6312e2e (このIDを非表示/違反報告)
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