望まぬ邂逅〜図書室〜 ページ49
ところ変わって図書室。
普段の属性会では光属性の場所らしい。
その場所で、西谷くんは大きく溜息を吐いた。
「あー、すっげぇ疲れたー!!」
「西谷うるさい」
西谷くんの叫びにすげなく研磨くんが返す。
正直私も疲れたと叫びたい。何だあいつは。
思い出すだけでいらっとして、未だ手に持っていた刀がかちゃりと主張した。
「おれとしては、すっごく聴きたいんだけど。ね、A」
あまり表情を変えない研磨くんが、いつも以上に無表情だ。ちょっと怖い。
「なにがどうなったら、赤葦とあんなに仲悪くなるの?」
質問の意図がわからない。
わからないけれど、事の経緯、まあつまり向こうが一方的に敵を向けてきていることを言えば、研磨くんは大きな溜息を吐いた。
「あー、うん。そっか。……そっかぁ、うん。まあ、良いか。
赤葦が良いなら、良いや。別に」
研磨くんはそう言った。
……どう考えても、いいと思っていない。
だって今、声がすっごく冷ややかだった。優しさの欠片もないような声で突き放した。
私に向けられてる言葉じゃないから良いのだけど、聞いているだけで血の気が下がった気がする。
「俺も聞きたいんだけど。なんで閃穏嵜、あの及川さんと仲良くなってんだ?」
便乗するように西谷くんに問われる。
『いや、初日から向こうが友好的だった』
「それは知ってるけどよー。なんでわざわざ、ここまで仲良くなってんだ?」
『わざわざ、とは』
「いや、だってさ。……いや、いいか。うん。
お前が仲良くなれてんだったらまあ、良いな!」
そう言って、笑ってくれた西谷くん。
良かった、これで西谷くんまで冷たい声出したら心労が。
「それはいいんだけどさぁ、今年もどうにもなんねぇな。
正直閃穏嵜がいたら丸くなるかと思ったけど、流石に万能じゃなかったみたいだし」
『どゆことですのん』
「……毎年、ギスギスしてるんだ。光・闇混合。
西谷はおれとしか、おれは西谷と赤葦しか、赤葦はおれと及川さんしか、及川さんは赤葦としか、話さないし」
これは酷い。
「でも勝つんだよな、属性大会。なんでかわかんねぇけど」
不思議そうに首を傾げた西谷くん。
……難アリなんてもんじゃないな、このチーム。
暗雲立ち込める属性大会を思って、苦笑いした。
今週の金曜本番って、大丈夫かなぁ。
といっても、協調性を高めることも、仲良くすることも考えられないのだけど。
あいつ本当無いわ。
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雫雪(プロフ) - 甘味香涼さん» ?!?!お姉様にも推してくださったとは感激です....!そう言っていただけると書く甲斐があります!今までのは非公開にして新しいものを出しているので読んで頂ければ嬉しいです!!二週目楽しみにしてます!! (2019年4月15日 20時) (レス) id: eb9cd3a250 (このIDを非表示/違反報告)
甘味香涼(プロフ) - 雫雪さん» お久しぶりです! 雫雪さんも書き直し中でしたか……読まねば……! 姉にも雫雪さんの作品推しましたよー。本当好き…。今でも読んでいてくれてありがとうございます! 二週目もどうぞよろしくお願いしますねー! (2019年4月15日 20時) (レス) id: d3237a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
雫雪(プロフ) - お久しぶりです...!(たぶん覚えられてない)最近私も魔法パロの方の書き直しを始めたので既視感からコメントさせていただきました!(失礼)いつも楽しく読ませていただいてます。無理せず頑張ってください...! (2019年4月15日 20時) (レス) id: eb9cd3a250 (このIDを非表示/違反報告)
甘味香涼(プロフ) - キリホさん» キリホさんこんにちは!コメントありがとうございますー。印象変わったなぁと思いながら書いてます。如何でしょう。昔も今も愛されていて嬉しいです、ありがとうございます。今後も更新していきますので、よろしくお願いします。二週目特典ありますよ、是非御参加を! (2019年3月4日 17時) (レス) id: d3237a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
キリホ(プロフ) - 甘味香涼さん» こんにちは〜いつしかこの小説に出会って、以来度々読みに帰ってきている者です。修正に入られた時から、まだ創り直されていないPartを読み直して修正前の話をうっすら思いながら新しく創られたお話を読むのが好きです。だから両方好き(´∀`*) (2019年3月4日 14時) (レス) id: 5e54777a72 (このIDを非表示/違反報告)
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