【ハイキュー!!】魔術専門学校『悠々学園』 Part.３

誰でもできる旅のすゝめ〜首都〜 ページ24

朝早くから対応してくれた猿杙さんには感謝しかない。

買い物と雑談を終えて感謝の言葉を述べまくって、現在首都の出口へ向かっている。

向かうは東の入口、そこから北へ東へ進んだら目的の魚河崎だ。

猿杙さんがいい材料があったら引き取ってくれるとのこと。

よーし、生態系を壊さない程度に頑張るぞ。

「……水の茨が載ってる！ よし！！」

先程買った一覧を読んでいたカリューがガッツポーズを取る。

うん、それ目当てについてきたものね……よかったね……。

「それじゃ他に向かう場所はないですよね？」

『ないですね』

上機嫌なカリューの言葉に頷く。

「じゃあ首都から出ましたら、すぐに道に入りましょうか」

『はいよー』

首都の入口で荷馬車の中を改める仕事をしている門番さんに挨拶して、私たちは首都から出た。

そして人気人目のない森に入ってすぐ。

カリューが前に手をかざし、魔力を固めた。

魔力は凝縮して思う形になり、扉になる。

『この扉って裏から入ったらどうなんの？』

今どこにも繋がりのない扉がぽつんと立っている状態だ。

「あー、ロウチェが気になって一回やろうとしてましたね。裏にはドアノブ無いそうです」

そもそも入れない。

なるほどなぁ、と考えているとカリューがノブを捻り扉を開けた。

その中には、ぐにゃりぐねる色彩の世界。

赤青黄の三原色なんてものじゃない。

百を超える色が絶え間なく動き続け、道を埋め尽くしている。

『……なんで精霊の道ってこんなに、色彩の暴力なの？』

「あー……ご主人様からするとそう見えますよね。

　僕らには普通の、畦道に見えるんですよ」

なんてこった。私だけか、この気持ち悪く見えるの。

「精霊の主になった際には僕らと同じように見えるはずですよ」

『そっかぁ。だいぶ先だね、となると』

私はカリューが開けてくれている扉を潜った。

ところがカリューがまだ入ってくる気配がない。

『……どした？』

「いえ、お気になさらず」

と、カリューは努めて顔に笑顔を載せて、扉を潜った。

自然に扉が閉まって、世界から隔絶される。

『さて、行くか！ 案内よろしくー』

「はいはい、任せてください」

道案内を任せ、その隣を歩く。

くだらない雑談をしながらの路程は、すぐに時間が過ぎていった。

ここは精霊の道。精霊が移動に使う手段だ。

私もこの道をたまに使う。

色鮮やかを通り越して目が痛くなるから、急ぎや長距離の移動の時だけだけど。

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