story57 一番 ページ14
【Aside】
「旦那、私の姉の事はしってますよね?」
旦那に何故私がこんな怪我をしてしまったのか説明するためには、ここまで振り返る必要がある。
「あァ、あの綺麗なねーちゃん。」
旦那の口調こそはいつもの感じだが、声の重みが違った。
「姉上は、私にとって、私たちにとってかけがえのない人だったんです。大切な存在だったんです。……大好きだったんです。だから、もう大切な人を失いたくないんです。大切な人を護りたいと思ったんです。」
こうやって話している間も、真っ直ぐな目をして話を聞いてくれている。こういうところが、新八君とか、神楽が集まってくる要因か、なんて思いつつももう一度口を開いた。
「裏切った隊士を斬らなくてはならないのが真選組鉄の掟。しかも、今回は近藤さんを護らなくちゃ、私たちの真選組を護らなくちゃ行けなくて、それは分かってたんです。」
「絶対ないはずですが、総悟が例え裏切っても誰が裏切っても私は斬る覚悟はしてました。でも、いざとなるとやっぱり、だめですね。剣が震えて……」
初めてだ。こんな風に人に話したのは。旦那はすべてを話せそうな、的確なアドバイスをしてくれそうな雰囲気を持っている。不思議な人だ。
「お前は考えすぎってことだ。」
ふと、聞こえた声。旦那が話を始めたのだ。
「お前が一番護りたいのは、あのゴリラとあのチンピラどもだろ?それとも、裏切った隊士か?」
そりゃ近藤さんと真選組を一番護りたいけど……裏切った隊士を見捨てる訳には……
「自分の一番、護りたい物を護ればいいんじゃねーの?」
どんなのその言葉が何故だか、私の心にストンと落ちてきた。まるで、心にかかっていた霧を晴らすようだった。
「つーかさ、俺から聞いといてなんだけど、辛そうな顔すんなよ。」
Aチャン、すっげー泣きそうと、私の顔を指差したあと手を広げた。抱き付いてこいみたいな感じで。そこで私は旦那の肩を濡らす事にした。
───酒で
「さすがに、タダの知り合いの男に抱きつくわけないでしょう?そんなに私尻軽じゃないですから。」
そういって、私は部屋に戻った。少しでも旦那を尊敬した私がバカみたいに思えてきて。それと同時に、一瞬でも抱きつこうとした私に驚いていた。
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百瀬 - アイドル編面白かったです!! 続き楽しみにしています! (2019年1月7日 21時) (レス) id: 327af94932 (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうごさいます!頑張って続き書きますね(*´∀`) (2018年8月24日 13時) (レス) id: 6b9c59579e (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 番外編めっちゃ面白かったです。続き楽しみにしてます。( *`ω´) (2018年8月23日 1時) (レス) id: feb278e6cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年5月9日 17時