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前夜 ページ16

—夜—


僕は明日に向けて、武器の手入れをしていた。


この剣で、明日はヨナとユンを守る。


何が起こるか分かんないけど、二人だけは絶対生きて返す。


そう決意して、手入れした剣を置いて、僕は船を歩く。


少しすると、ハクとヨナの声が聞こえてきた。


「私は・・・高華国は平和で豊かな国だと思っていたの。父上が望むように争いがなく、人々が笑っている国だと・・・。でも、火の部族の土地や阿波の港は父上の治世から変わっていない。父上が間違っていたかどうかなんてまだ私には分からない。でも・・・っ、火の部族の土地やこの町をこんな風にしてしまった責任が私にもある。だから、私は戦うの」


そう言って、ヨナはその場から離れていった。


そっか、ヨナはそれだけの覚悟をしてるんだね。


僕は取り残されたハクに話しかける。


「ハク」


「レン様・・・」


ヨナが潜入することを心配しているハクに僕は安心させるように微笑みながら話す。


「大丈夫だよ、ハク。ヨナは絶対僕が守るから」


「確かに姫さんのことは心配だ。けど、俺はあんたのことも心配なんだ!」


その言葉に僕は目を丸くする。


ヨナだけじゃなく、僕の事も心配してくれてたんだ・・・。


そっか。でも・・・


「大丈夫だよ。僕もそれなりに戦えるし、合図したらすぐに来てくれるんでしょ?」


「そりゃ、すぐに飛んで行くが・・・」


「なら大丈夫。僕はハク達の事を覚えていない。でも、心のどこかで、ハクがいるなら絶対大丈夫だっていう気持ちがあるんだ。多分、これは記憶を失くす前の僕が思っていた事だと思うんだ。だから、僕はその気持ちを信じる」

そう言って僕はニッコリと微笑んだ。


ハクは僕の言葉に驚いていた様子だったけど、不敵な笑みを見せて、


「あんたにそんだけ信頼されてるんじゃ、期待に応えない訳には行きませんね。昔から、あんた達二人の事は絶対守るって誓ってるんで、今回も絶対守りますよ」


「うん、ありがとう。信じてる」


僕はそう言ってハクに、背を向けた。


「じゃあ、そろそろ僕は寝るね。明日に備えて早く寝ないとだしね」


そうして僕は寝床に入り、眠りについた。

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(プロフ) - ハデスさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (8月8日 15時) (レス) id: b29e761d0c (このIDを非表示/違反報告)
ハデス - 応援してます!!ハクと男主が大好きです!!!!! (8月4日 16時) (レス) id: b5ef1167b7 (このIDを非表示/違反報告)
rurinigana(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2022年1月10日 22時) (レス) @page12 id: 29637ba3af (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 更新待ってます (2021年2月21日 23時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
あわてんぼうめがね(プロフ) - とても面白かったです!暁のヨナに最近ハマって、漫画を読むだけじゃ興奮が抑えられずに彷徨ってたところ、この作品に出会えました!会えてよかったです!次回も楽しみにしています。 (2020年7月16日 20時) (レス) id: adc0c37a15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年12月12日 9時

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