近くて遠い距離

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無言のままの風磨と、




その場を盛り上げようとしてくれてる健人くん。






何だかこの空気が申し訳なくなる。






健人「お前、全然喋んねぇな。


ここで人見知り発揮してんじゃねーよ。笑」





さっきから黙ったままの風磨に、





健人くんからそんなツッコミが入った。






風磨「別にそんなんじゃねーし。笑」






鼻で笑ったように返す風磨を見て、





ふと昔を思い出した。






そういえば人見知りだったなー。





そのくせ素直じゃなくて強がる。






そんなところは変わってなくて





少しだけ嬉しかったりもした。






健人「Aちゃん、にやけてるよ？笑



風磨が人見知りとか意外だと思った？笑」





私「えっ、、あ、そうだね。笑


ふう、ッ、、菊池くんそんな風に見えないのに。笑」





頑張った作り笑いで




勢いで“菊池くん”なんて呼んでしまった。






ここで“風磨”なんて




呼んじゃいけない気がした。






私のその言葉に、





一瞬だけ





風磨の動きが止まった。






でもそんなのはほんの一瞬で、





また何事もなかったかの様。






結衣葉「確かにそんな風には見えないね。笑」





健人「だろ？笑


意外と可愛いとこあるよな。笑」





風磨「うっせーよ。笑」







やっぱりこの空気に、





私がいたらダメなんだ。







私「ごめん、飲み物買ってくるね！」





健人「え？俺買ってくるよ？」





私「大丈夫だよ！ありがと！」






それだけ言って、





急いで屋上を飛び出してしまった。

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