近くて遠い距離

27 ページ27

私と結衣葉が当番の時は、





常に健人くんが近くにいてくれた。






連絡先を聞かれれば健人くんが断り、





スキンシップが多いと止めてくれたり、






自分も忙しいのに






何かと助けてくれた。







風磨は女の子と絡むよりも





その場を盛り上げてくれていて





健人くんと風磨のおかげで





売り上げも全学年で1位になった。









健人「よっしゃー！夏休み入ったら盛大に打ち上げやりますか！！」





そんな健人くんの言葉に、





周りは異常な盛り上がりを見せた。









健人「あ、Aちゃん、一緒に計画しよ！」





私「え？私？」





幹事とか苦手なんだけどな。





そう思ったけど、





結衣葉「頑張れ、学級委員。」





なんて言われて




学級委員ってこと忘れてたなんて言えない。笑









健人「Aちゃんも結衣葉ちゃんもお疲れ！



2人のおかげで1位とれたも同然だな。」






私「いやいや、それを言ったら健人くんと風磨のおかげ、、、」





風磨と話せて浮かれてた私は、





つい“菊池くん”ではなく




“風磨”なんて言ってしまった。







健人・結衣葉「風磨、、、？」






健人「え？そんな仲良かったっけ？」





結衣葉と健人くんが驚くのは当たり前で、





3人の帰り道、





少し気まずい空気が流れた。







この2人に隠し通すことはできるのかな？







風磨が健人くんに何も言ってないのに、





私が勝手に言うことは出来ない。







私「今日、ちょっと体調悪くなった時に助けてくれただけ。」






それだけで今まで話もしなかった相手を





呼び捨てにする理由にはならない。








健人くんと結衣葉に、





それに対する疑問が生まれたのは





表情でわかってしまった。

28→←26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す