不器用LOVER。

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平和で幸せな日々が崩れるのなんて、



ほんの一瞬。




一つ一つ慎重に積み重ねた宝物が、



何かにぶつかって散らばる。




ほんの一瞬の出来事なんだ。






風磨「A、今日中島と先帰ってて。

俺、勝利に呼ばれてるから。」


私「ん、わかった。」




この時は、気にしなかった。




前は“友達”って言い方だったけど、



今はちゃんと相手が誰なのかを教えてくれる。




だから、前みたいに浮気じゃないってわかる。




風磨「帰り、お前ん家寄るから。」


私「はーい。勝手に入ってきていいよ。」


風磨「ってか、親遅いんだから鍵くらいかけとけよ。笑」




そんな話しをしながら、



帰る準備をした。




健人「A、帰ろ！」




久しぶりに健人と二人の帰り道。



なんだか少し新鮮だった。





健人「ってか、あれ、勝利じゃん！」


私「あれ？風磨と一緒のはずなのに。」


健人「勝利！！」




少し前にいた勝利くんは、



私達を見るなり焦った顔をした。




健人「風磨は？一緒じゃねぇの？」


勝利「えっ！？あ、あぁ！


さっきまで一緒に、、、」



明らかに嘘をついてるなってわかるくらい



焦っていた。




健人「嘘付くんじゃねぇよ。」


勝利「ついてないです！」





なぜか嫌な予感しかしなくて、




身体が勝手に来た道を戻る。






健人が私を呼ぶ声も無視して、




ただひたすら学校まで走った。





辿り着いた教室には誰もいなくて、



一つ一つ全部探す。





健人「A！やめとけよ！」




そう止められても、



身体はいう事をきかない。




辿り着いた屋上のドアの前。




開けるのが怖いけど、




勇気を振り絞り、




ドアを押した。

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