不器用LOVER。

32 ページ32

比呂ちゃんが転校してきてから、



いつものメンバーに比呂ちゃんが加わり、



常に一緒にいた。




細くて小さい比呂ちゃんは、



誰から見ても守ってあげたくなるような



そんな女の子。




きっとモテるんだろうな。




でも、気になることが一つ。





健人と風磨からは




比呂ちゃんには話しかけないこと。





それだけが、



すごい不思議だった。




比呂ちゃんからは話しかけるから



気まずいわけではないけど、



やっぱり前とは少し違う。







私「健人、比呂ちゃんと知り合いだったの？」




風磨が受験で休みの日、



ずっと気になっていたことを聞いた。




健人「あー、、、




ちょっと授業抜けよっか。」




健人にそう言われ、



体調が悪いフリをして



教室の外に出た。




クラスの女の子が



風磨がいるくせになんなの？って感じだったけど、




今はそれどころじゃなかった。





何も話さない健人の後ろを歩き、



着いたのは屋上。





重い扉を開けると、



秋の涼しい風が



一気に吹き抜けた。






健人「こっち座れば？」




そう言って壁にもたれて座る健人が



自分の横をポンポンって叩く。






健人「最初に言っとくね。




何があっても、






絶対風磨を信じてて。」







この時は、




健人の言葉の意味がわからず、





ただ頷くことしか出来なかった。

33→←31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す