ラブソング (ページ44)

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『この衣装ならこれにしよっと』

ずっと現場に持ってきている革のアクセサリーケース

無くさないようにってピアスと一緒にけんた君が記念日にプレゼントしてくれた大切な物

そこには2人にしか分からない謎の数字が刻印されていて、撮影の時はイメージによってアクセサリーを付け替えるため、持ってくる事を忘れないように前日にマネージャーさんに預けて準備してもらっている

今日も鏡の前に置いてあるケースをみて、ちゃんと綾ちゃんに青木さんから伝えてくれたんだ、と思いながらゴールドのピアスをシルバーのピアスに付け替えた

ひ「ねえ蘭ちゃんもう少し横向いてくれない？」

『あ！ごめんなさい気づかなくて』

メイクが終わりヘアセットに入ったひなのさんから声をかけられ、樹くんとは逆の方向に顔を向けた

『あつっ！！』

その瞬間左頬にあたる高温のヘアアイロン

何が起こったのか一瞬分からなくなり、ドンっ！と音を立てて立ち上がってしまった

『っっ！ひなのさん急に立ってしまってごめんなさい！！』

樹「っ！！え？どした？ってA顔…！！」

担当メイクさんが「冷やすもの！」と焦っている中、ちょっと抜けますっと謝り手を掴んできた樹くん

急ぎ足でお手洗いの前まできて「冷やすもの持ってくるから水当てておいで」と言われ、さっきの出来事を思い出した

お手洗いに入り大きな鏡の前で左顔を見ると赤く膨れ上がった火傷の跡

メイクもう1回やり直しか。

と何故かその頬を水で冷やしながら冷静になった

しばらく冷やしお手洗いの外に出ると、こっちに気づき心配そうな顔をしている4人と綾ちゃん

慎「A、痛いよね。ごめん」

保冷剤を包んだタオルで顔を冷やしてくれるマコに首を振り笑顔を返した

浦「何があった？樹、お前一緒におったやろ」

樹「ごめん、俺寝ちゃってて」

『いっちゃんが謝る必要ないよ、タイミングがズレてヘアアイロンが当たっちゃたの。ごめんなさい綾ちゃん、またメイクしなくちゃいけなくなって』

綾「ううん、でも女の子の顔に跡残らないか心配、、」

岩「ほんまやな、しばらくは残るかもしれんな」

慎「…てか、あの人なんで謝りに来ないんすか。」

『マコ、大丈夫。こんなのあるあるだし、わざとじゃないって』

慎「でもっ！」

『みんな心配かけてごめんなさい。』

怒った顔をしてるマコの腕を掴んでなだめていると、青木さんが走ってやってきた