エイトハウス【番外編】

俺の財布持ったやつ ページ39

めっちゃ走って、









とにかく、走って。









あいつなら、どこいく、？


Aなら…









「！」









おった！









「A！！」



「えっ？・・」









俺の呼びかけに振り向いたのは、他人。









「あっ、すいません…間違えました…」









人間違い。









ほんま、どこおるん？









走って走って、走る。



A・・









なんかあったらどうしよう


もっと早く捜しにいけばよかったっ。


余裕、ない。









全然余裕ない。









思い浮かぶんは、悪い想像ばっか。







吐息が出る。









周り見渡して、捜す。



「あっ…」









街路樹にもたれかかってる、









小さい、見慣れた背中。









「A！！！」









叫んだ俺の声に振り向いたのは









「あ…っ」









盗んでった俺の財布を両手で抱き締めてる、A。









走って行って、









「きみくっ・・・！」









抱きしめた。









「きみくんー・・っ」




「アホやな…」









「アホやな、A…
帰らへんやんけっ、こんなとこまできて、
道、わからんくせに」












震えてる、小さい背中。









ぎゅうって握りしめてる、俺のダウン・・




俺も、


強く抱きしめたった。









「きみくっ…」









苦しそうにするから、離したる









離してわかる







寒さで真っ赤になった、小さい鼻









冷たくなった頬も真っ赤。









涙で、目も、赤い。









手袋、しやんと出て行ったから、









手はもっと真っ赤で、冷え切ってた。









俺と同じ、まったん冷え性。









グズって、



怖かった。


って言う、A。



ほんまに、ごめんな。

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