26話 本当の気持ち ページ26
「ごめんごめん。邪魔する気はなかったんだけど」
「鹿野くん…」
隣を見れば、女生徒も固まっていた。
「…で、さっきの話。ちょっと聞こえちゃったんだけどさ」
「っ……」
女生徒の表情が強張る。まあそりゃそうか。好きな人に聞かれて嬉しい話はしていない。
「個人的には、Aが誰のことを好きでも、君には関係ないと思うよ」
「………」
「…あと、僕はAのこと、好きだから」
「！？」
女生徒は目を丸くしている。私も、唐突な言葉に固まってしまった。
…今のは、本気？それとも、その場凌ぎの嘘？
「あ、嘘じゃないよ？…だから、君の入り込む余地は無いってこと」
「……帰りますっ」
女生徒は、踵を返して行ってしまった。
「あーあ。言っちゃった。たまにいるんだよねー。こういうめんどくさい人」
修哉はすっかりいつもの調子だった。
「…えっと、修哉？…さっきのって……」
「あぁー。えっと、それは後で！…こっち」
修哉はパッと私の手を取ると、図書室の方向へ走り出した。
いつもなら振り払ってしまう手だけれと、今日は不思議とそんな気持ちにはならなかった。寧ろ、不思議な安心感があって、このまま手を離したくなかった。
…これが、「好き」ってことなのかな。
モモちゃんの言葉を思い出し、一人そんなことを考えていた。
「この前のこと、ごめんね。修哉は何も悪くかったのに」
そう言って私が俯くと、修哉は驚いたように目を丸くした。
「え…？いや、Aじゃなくて、僕が謝るべきだよ。僕こそごめん。…Aの気持ち、全く考えてなかった。あれから大分経つけど、許してくれる？」
「…修哉。もちろん。もうお互い、水に流そう？」
「うん」
「あ。そうだ、さっきのことだけど。修哉、あれ……本気？」
自分で言ったことを思い出したのか、修哉の顔が途端に赤くなった。
「あ、あれは……」
「私もっ」
「…？」
「私も修哉のこと、好きだから！」
気付いた。喧嘩して、しばらく話さなかった時。ううん。その前にも。気付くタイミングはいくらでもあった。ただ、それが当たり前になっていて、気付かなかっただけ。
でも。さっき手を握られたとき。私にとって一番大切な人は、いつも私の隣にいたんだなと気付いた。
「僕も、Aのこと、ずっと好きだった。……僕と、付き合ってくれる？」
修哉が手を差し伸べる。私はそこに自分の手を重ねた。
「はい。」
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はむかつ(プロフ) - 小遥さん» うわああ！コメントありがとうございます！すみません！気がつきませんでした！今ちょっと期末テスト前であれなのですが、テストが終わったらバリバリ書かせて頂きます！ (2016年2月9日 18時) (
レス) id: 878a3a8115 (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - 面白いです！続き気になるので頑張って下さい！！ (2016年1月23日 23時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむかつ | 作成日時：2016年1月7日 19時
