20話 気まずい ページ20
「行ってきまーす」
いつも通りに家を出る。あれだけ五月蝿かった蝉もすっかりいなくなり、いつの間にか秋らしくなってきた道を、私は学校へ向かった。
交差点を左折してしばらく歩くと、色あせたパン屋の看板が見えた。
でも、私はなるべくそれを見ないようにしてそこを通り過ぎた。
あれ以来、私たち3人は一緒に学校へ行くのをやめた。と言うか、私と修哉が顔を合わせないようにしたら自然とそうなっただけで、幸助にはちょっと申し訳ないと思っている。
幸助とは一緒に行っても良いけれど、もし幸助が修哉と一緒だと気まずい。
そんな思いが積み重なって、最近では3人で一緒にいることもほとんどなくなってしまった。
放課後。今日、部活は自由参加。普段は活動日以外は部活に行かない私だけど、何となく暇だったから行くことにした。
「あ！先輩！どうしたんですか？珍しいですね」
美術室には、モモちゃんしかいなかった。
「うぅん？…なんか、暇だったからさー」
「ふふふっ」
モモちゃんは片手に筆を持ちながら、突然笑い出した。
「モモちゃん？…私何か笑われるようなことした？」
「あはは。先輩、頭に葉っぱが付いてますよ」
「？…あ、本当だ。ありがとう、モモちゃん」
モモちゃんは「いえ」と言って微笑むと、また絵を描き始めた。
「そう言えばモモちゃんはどうして部活に来たの？」
「コンクールに出す絵がまだ出来上がってないんですよー」
見ると、モモちゃんのカンバスには、よく分からないけど凄そうな絵が描かれていた。
「た、大変だねー」
「まあ、それなりに？…そう言えば、先輩、なんかちょっと前から一年の間でも軽く噂になってましたけど、大丈夫ですか？」
「あ、うーん。まあ、最近は大分落ち着いたみたいだけどねー」
あからさまに私の方を見ながら話されることはなくなったものの、結局誤解を解くことも出来ていないままだった。
「そう言えば先輩、最近学校に来るとき一人ですよね？何かあったんですか？」
モモちゃんはこういうとき、以外と鋭い。
「うん、まあね。…実は喧嘩しちゃってさ」
「そうですか…」
「あっ。ごめん、モモちゃん。私もう帰るね」
「えっと…？まだ来たばっかりですけど…」
それは自分でも分かってるけど…
「あの、えーっと、よ、用事があるの忘れてた！ごめんね！」
苦笑いでドアを閉めてから、何のために来たんだろうと、ため息を吐いた。
ーーーーー
たったこれだけに3日もかかるとは…(ノД`)
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はむかつ(プロフ) - 小遥さん» うわああ！コメントありがとうございます！すみません！気がつきませんでした！今ちょっと期末テスト前であれなのですが、テストが終わったらバリバリ書かせて頂きます！ (2016年2月9日 18時) (
レス) id: 878a3a8115 (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - 面白いです！続き気になるので頑張って下さい！！ (2016年1月23日 23時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむかつ | 作成日時：2016年1月7日 19時
