16話 教室で ページ16
Aside
あれから約一週間。
例の噂は大分落ち着いてきた、と言いたい所だけれど、まだ静まってはいない。
まあ確かに初日に比べたら落ち着いたけれど、誤解は解けないまま、ほぼ全校に広まってしまったと言っていいだろう。
「A、ぼーっとしてるけど、大丈夫？」
「うあっ！？あ、マリー。うん、大丈夫。」
「A、大変みたいだねー。」
「う、うん。まあ……」
ぎこちなく頷く。
なんとなく前の方の席を見てみると、修哉は至って普通に過ごしているようだった。
能天気と言うのか何なのか。
むかつくけど、こういう時に気楽でいられるってある意味羨ましい。
ちなみに私は、休み時間ごとに教室をチラチラと覗きにくる他クラスの生徒のせいで、午後の英語のテストが散々な結果になった。
放課後。「忘れ物を取ってくる」と言って部活を抜けてきた私は、教室へ向かっていた。
確か今日は、修哉が教室で休んでいた日にやった中テストをやると言っていたはず。
私は、あの日からまだまともに話せていない修哉と、真面目に話がしたかった。
私は一呼吸置いてから、教室のドアを開けた。
「うわっ！！Aか。もー、びっくりさせないでよー！」
「いや別にびっくりさせようとしてないし。」
ドアを閉めると、自分の席に座った。
「…修哉？」
「何、A？」
「
途端に、修哉がクルッと振り向いた。
「ああ、あれね。いやぁー、参ったなぁ。本当、困ったねー。」
「本当だよ。…何で私と修哉がリア充だって言われなきゃならないの？」
一瞬、修哉が寂しそうな顔をしたのはきっと気のせい。
「まあねー。……そうだ。」
「何？」
「……いっそ本当に付き合っちゃう？」
修哉は最初、至って真面目な顔だった。でも、私が唖然としているのを見ると、笑い出した。
「いや、嘘。冗談だって。」
そう言って笑う修哉の瞳は、やはりどこか寂しげだった。
けれど、それよりも。
「最っ低……」
視界が霞んでいく。
「人が悩んでるのに笑ってそれで終わり！？いっつもそうやってへらへら笑ってばっかり！！私の気持ちなんて全然分かってないくせに！」
勢いで吐き捨てるように言うと、椅子から立ち上がった。
「A！…ごめん、言い過ぎた！！ねえ、本当にごめんってば！！」
振り向かずに走ってドアへ向かった。振り向きたくなかった。もう話したくなんてなかった。
修哉の声も聞かず、私は教室を飛び出した。
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はむかつ(プロフ) - 小遥さん» うわああ！コメントありがとうございます！すみません！気がつきませんでした！今ちょっと期末テスト前であれなのですが、テストが終わったらバリバリ書かせて頂きます！ (2016年2月9日 18時) (
レス) id: 878a3a8115 (このIDを非表示/違反報告)
小遥 - 面白いです！続き気になるので頑張って下さい！！ (2016年1月23日 23時) (レス) id: 54435abd29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむかつ | 作成日時：2016年1月7日 19時
