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第二十三話 ページ25

真っ暗。とても、暗いところに居た。ここ、どこだ?

『、、、暗い、、、。』

暗いくらい場所。動けない。見えない鎖に縛られてる。あたりを見回す。動こうとした。でも、動けない。やっぱり、ダメだ。そして、誰もいないはずなのに、声が、聞こえた。

“バケモノ!”“お前は人間じゃない!”

と。、、、そうだ。俺は、人間じゃない。あれ、だったらなんで、人間としているんだ?俺は、何者?そう思った瞬間、

『っ!!』

飛び起きた。それと同時に頭痛と目眩が俺を襲った。夢か、、、?そう思いつつ。それより、此処は何処だ?と、冷静に辺りをぐるりと見渡すと、端に寄せられた美術道具、部屋を照らす大量のモニター、そして先生の後ろ姿。美術準備室、、、、、、か。そんなことを考えていると、モニターを見ていた先生がクルリと振り返り、思わず俺の背中が強張る。戦闘体制になる。だが先程の狼みたいな先生とは打って変わって、目を細めて笑った。咄嗟に力が抜けてしまった。

柊「おはよう、中原」

『、、、、、、、、、お早う御座います。』

いや、さっきと性格変わりすぎだろ?1周回って逆に怖いんだけど。

柊「随分とうなされてたけど、大丈夫か?」

『あ、はい』

そう言いながら、あたりを見回す。それにしても、この美術準備室も随分と改良されたようだ。こんなに沢山のモニター、何処から用意したのだろう。

柊「さて、と」

伸びをしながら立ち上がった先生は、こちらを振り返った。それは、先程の、狼のような目で反射的に戦闘体制に入りそうになる。そんなに恐がらなくても良いから、と先生は俺を宥めた。俺が座っている簡易ベッドに先生も座り、こちらを見てニコリと、優しく、怪しい笑顔で笑いかけた。

柊「お前のこと、ゆっくりと聞かせてもらおうか」

と。俺は、恐怖とか、色々な感情で、言葉を失った。でも、平静を保ち、一応俺は先生を警戒しながらも、表情を変えずに「俺のこと?」と聞き返した。

柊「あぁ。まず、、、そうだな、、、。これ、どういうことだ?」

先生が手に持っているのは、俺の愛用ナイフだった。バレてたのかよ、、、。

『それ、果物ナイフですよ。お弁当でそのまま果物を持ってきてたので、持っていけと、首領()に言われたんです。』

よくもまぁ、こんなにペラペラと俺は嘘がつけるなぁ、そう思いながらも、言っていく。そしたら、

柊「いや、果物ナイフだったら、こんな風に折り畳めないだろ?」

『、、、折り畳めるやつもあるんですよ?先生』

頑張ってバラさないように隠していく。

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作者名:十六夜紅葉 | 作者ホームページ:http://yuuha0421  
作成日時:2023年3月3日 21時

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