第二十二話 ページ24
〜カメラに映った映像〜(no side)
鈍い音が教室に響く。思わず誰もがその現実を直視しないよう、目を塞いだ。
「「っ、、、、、、!!」」
手を
水越「蓮っ、、、、、、、、、!、、、蓮!」
中尾の彼女である水越が、彼の名を繰り返しながら駆け寄る。だが中尾は目を開かない。
甲斐「殺したのかよ、、、、、、。本当に殺したのかって聞いてんだ!!」
甲斐の質問に答えるかのように、柊はまた上着のマイクに向かって言った。
柊「これで大人しくしていただけますか?それとも、
まだ死人を増やしますか、、、、、、?」
その場が凍りつきそうなほど、冷酷で冷ややかな声で。暫くして、柊はマイクを手放し、生徒たちに向かって言う。
柊「今日の授業は終わりだ。お疲れ様。茅野、パソコンを持ってこい」
茅野は呆然としていたが、直ぐに我に返り立ち上がった。柊は倒れている中也をチラリと見てから、中尾の体を引きずり教室を出て行った。茅野が慌ててその背中を追いかけて言ったのを見送ってから、教室は思い沈黙に包まれた。クラスメイトが一人死んだ。それをまだ上手く受け止め切れてないのかもしれない。そんな中、沈黙を破ったのが、
里見「なぁ、こいつ、どうする、、、?」
学校で一番イケメンと言われる、里見であった。里見の目線の先には中也。
彼はというと、時々ピクリと、指先を動かして、本当に小さな声で、嗚咽を漏らしていた。
逢沢「軽い脳震盪を起こしているかも。暫く安静にしておいた方がいいと思う」
逢沢がそういった直後、柊が大きな音をたてながら扉を開き、教室に入ってきて、中也に歩み寄る。彼の近くに居たものが思わず後ろに下がる。まぁ、当然の反応か。
柊「中原は俺が診よう。後、夜は冷え込むと思うから、暖房をつけて寝るように。それじゃあ、お休み」
柊はそういい、彼の背中と膝の後ろに腕を入れ、軽々とお姫様抱っこをして見せた。驚いて目を見開く者が数十人、女子の殆どは色々と察した。もう一度言おう。色々と、、、だ。そして柊が出て行った後、目を見合わせ、「え、、、?」と呟いたのは、もう、言うまでもないだろう。
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作者名:十六夜紅葉 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年3月3日 21時