重力遣いは人質に！？ (ページ19)

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第十七話ページ19

「何であんたにそんなこと分かるんだよ､､､､､､。」

誰かが呆然と呟く。先程まで茅野さんを見ていた先生は声をした方に投げかける。

柊「景山本人に、聞いたからだ。何に、あいつが苦しんでいるのか､､､､､､､､､。」

先生が、澪奈本人に、聞いた？大きな関わりも無かったのに、何故？

「なら景山は何をされて自殺したっていうんだよ！？」

柊「それはお前達が自分で探せ。何故クラスメイトは死ななければならなかったのか。卒業までの10日間で、一緒に考えるんだ。」

俺達が、自分自身で。探しに行かなきゃならねぇ。見つけるためには。自分の足で歩いて、自分の手でガラクタの中から正しき答えを。先生は教卓に手を着き、皆の顔を見渡してニコリと笑った。

柊「さて、不正解だった場合ペナルティーが課されるんだったよなぁ？」

“ペナルティー”その言葉に皆の顔が青ざめた。

宇佐美「待ってよ！マジで殺す気､､､､､､､､､､､､！？」

柊「当たり前だろ？言った筈だ。不正解だったらこの中の誰かを殺すって。

だーれーにーしーよーおーかーな」

先生が指を動かして殺す人を決めようとする。その言葉を聞いた瞬間皆は抗いはじめる。こんなの無茶苦茶だ、と。今なら引き返せる、と人は恐怖心に捕われると中々そこから逃げ出せない。それと同時に、一度この立て篭もり事件を始めた先生は、誰にも止められない。そして恐怖心は時に暴力と繋がってしまう。

不破が先生の元まで走り殴り掛かった。けど、次の行動が丸見えだ。先生はその拳を避けて不破を床に叩き付けた。皆の肩が大きく揺れる。何時もと違う先生が、満面の笑みで腰を屈めた。

柊「活気があっていいねぇ！こんなに真剣に授業に取り組んだことないんじゃないのか！？ほらぁ！もっとこいほら！」

手を叩いて煽る。その煽りに乗っかった人が次々と殴りかかるが、先生のほうが圧倒的に強い。次々と薙ぎ倒されて言った。

「くそっ、こんなのなら総力戦だ！」

誰かがそう叫び、その声を聞いた男子達が立ち上がって先生を床に押さえ付けた。流石にこの人数じゃ抵抗できないだろう、こんなにも簡単に押さえ付けられてしまった。

柊「痛い、痛い！いーたーいー！」

先生が腕時計を操作するのが見えた。

っは！？まさか､､､！

「伏せろっ！」

ピッドオオォォオオン！！

次の瞬間、俺のすぐ後ろにあるロッカーが爆発した。これで、教室にある残りの爆弾は2つ､､､､､､。