第十三話 ページ15
宇佐美「あのさぁ、何か二人の世界に入ってるけど、答えはもうでてるから。澪奈は水泳界のプレッシャーに押されドーピングn「違う!!!」」
宇佐美さんの言葉を遮って、茅野さんは叫ぶ。
茅野「澪奈が死んだのは、そんな理由じゃない……!!」
これは少し前の話だ。落書きだらけの机の前に、澪奈がポツンと佇んでいた。いや、立ち尽くしていた。そんな中、教室に入ってきた茅野さんが澪奈の机に目を落とし、
茅野「なにこれ、、、。」
と呟く。まるで、信じられないかのように。
宇佐美「まさかドーピングしてたなんてね」
甲斐「そりゃ全国大会でも勝てるよな」
何でも澪奈がドーピングしたという動画がSNSに流されたらしい。そのマインドボイスとかいうSNSに。そこら辺はよく知らねぇし、わかんねぇけど。
景山「わ、私はやってない」
澪奈はそういい残し、弾かれるように、教室を飛び出した。
甲斐「おいおい、逃げんのかよ!」
甲斐は澪奈の背中に声を投げかけた。が、その言葉に対する返答は返されない。
甲斐「あれはまじでやってんな」
諏訪「認めるまであいつと喋んなよ〜」
はーい、という返事をする者が数人。何で、誰も信じないんだろ?雰囲気が最悪だ。
宇佐美「さくらも付き合い方考えた方がいいよ」
付き合い考えた方がいい、、、か。バカらしい。
茅野「どういうこと、、、?」
宇佐美「このままだと澪奈と同じ目に合うってこと」
ガタンッ
俺は我慢できずに、椅子を倒して、立ち上がる。感情を出しすぎないように、無感情で居られるように、拳を握りしめて。
『なぁ、手前等さ、澪奈のこと、信じようって思わねぇわけ?』
甲斐「何だよ、中原。お前はあいつを信じるのか?」
『勿論。そうに決まってんだろ。あいつは俺の友達だ。』
そう言い切る。そしたら、ざわつきはじめる教室。
宇佐美「えっ、ていうことはさぁ、中原は澪奈と同じ目に遭っても良いってわけ?それなら私達は喜んでそうさせて貰うけど!!」
ねぇ?と宇佐美さんは皆に問い掛ける。あたりを見回せば、微妙に視線を俺から逸らすクラスの奴等。めんどくせぇ。、、、此奴等、なんなんだよ。人に意見を合わすしかできねぇのかよ。
『別に俺はいいぜ?やれるものならやってみろよ。俺は、痛くも痒くもねぇから』
それだけ言った後、椅子を戻して、教室から出た。そして、澪奈の方に走り出す。
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作者名:十六夜紅葉 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年3月3日 21時