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第十二話 ページ14

でも、やっぱり、辛いのは辛いらしい。目頭が熱くなる。涙腺が緩む前にと思い、教室を飛び出す。

『ははっ!、、、らしくねぇな、、、。』

普段なら、こんなこと、しなかったはずなのに。普段なら、乗り越えれた、はずなのに。

『、、、はぁ、、、。』

らしくもなく、溜息が漏れた。よくわからない。疲れたのだろうか?それとも、、、?

『考えるのやめるか、、、。』

そして、俺は、廊下の瓦礫にもたれかかって、寝た。そして、次に起きたら、8時の10分前だった。

『、、、もう、こんな時間か、、、。』

みんなの考え、まとまったのか、、、?そう思いながら、教室に戻る。そしたら、先生が教室に入ってきて茅野さんの元に行く。

柊「どう?考え纏まった?」

茅野「もうちょっと、、、、、、。」

柊「間違えたら誰か死ぬんだ、答えたくない気持ちは分かる。でも、8時まで時間がないんだ。答えないとこの教室ごと木端微塵だぞ?」

あれ、誰か一人死ぬんじゃねぇの?結局全員死ぬじゃん。もしそうなったら、成す術なんてねぇぞ?

「さっきのでいいんじゃない?」
「あれでいいと思うけど」
「私も〜」
「さっさと言えよ!!!」

周りの視線が凄く痛いだろう、でも今は、それに堪えなければいけない。茅野さんは、ギュッとブレザーを握り、口を開いた。

茅野「景山澪奈は今年の全国大会でドーピングしたことがばれて自 殺した。」

与えられた台本を読むかのように言う茅野さん。あーあ、結局そっちか。そっちを選ぶ、、、かぁ。しかし先生はしつこく茅野さんに問う。その答えが、本当の真実かと言うように。

柊「それがお前の答えか。本当にそれでいいんだな?」

先生は気づいているんだろう。茅野さんの、心の声に。心の奥底にある、小さな声に。

甲斐「しつけぇな!!良いに決まっt「茅野に聞いてるんだ!!!」」

俺達を睨みつけるような目で見て、また茅野さんと向き合った。真っ直ぐに、正面から。

柊「お前が景山の何を見てきて、何を見ていなかったのか。




よく、考えるんだ。」

茅野「今更何を言っても澪奈は還って来ません」

柊「確かに景山を失った過去は変わらない。でも、これからのお前を変えることはできる。自分自身で考えて、答えを出すんだ。」

柊先生の、真っ直ぐな心の言葉が、俺の、汚れた心に、傷を与えていく。先生は、羨ましいくらいにまっすぐで、羨ましいくらいに一途だった。

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作者名:十六夜紅葉 | 作者ホームページ:http://yuuha0421  
作成日時:2023年3月3日 21時

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