最高の面白さを ノルン ページ48
「……行ったかな?」
鎬の行った跡を眺めながら、ノルンは呟いた。
「さてと、おもしろ兄妹を誘ったところで私もそろそろ出番かな」
上機嫌らしいノルンは掠れた口笛を吹き、指を鳴らす。すると春風が吹き抜ける草原は熱狂冷めやらぬ大決闘祭会場の舞台へ変わった。瞬間移動とも少し違う現象はノルンの手心によってエフェクトがかかっていたようで、幻想郷の空は朱色の夕焼けから星の瞬く夜空へと変化し、現れたノルンの背には神々しい光がどこからともなく射す。
「―――諸君!長らく待たせたね。私はノルン!北欧神話の時の女神―――を騙る、ただの住所不定無職だ!私が参戦するからには期待してくれ、最高に面白い
突如現れたノルンに、観客がざわつく。鬼灯真央やディアボロを彷彿とさせる前口上は効果覿面で、観客の視線は一気にノルンへと注がれた。
神々しい後光を放つノルンが再びパチンと指を鳴らすと、舞台上の照明が落ち、火の灯った松明が舞台の周囲に突如現れ、神秘的な雰囲気は更に高まる。さながら主の奇蹟を前にした基督教徒のようだ。
『後はディアボロ・エックスバレットを待つのみだね。ああ、楽しみだ。一体どんな面白い決闘を見せてくれるのやら……』
熱に浮かされたような解説の声も、恐らく誰も聞こえていない。だが、その中のノルンだけは理解していた。―――この後に出てくるディアボロが、悔しい限りだが全てをかっさらってしまうであろう事を。
でも決闘では負けないよ、とは声に出さない。勝ち負け関係なく、数千年ぶりのお遊びを全霊で楽しむ―――それだけがノルンの頭にある。
「さぁて、早くお出でよディアー。散々なくらい祭りを楽しもうぜ」
にいっ、と笑いながらノルンが呟いた言葉は、熱狂の渦に巻かれて消えていく。
第二回戦にして最高潮かのような熱気が会場を包む。大決闘祭は、これまでにない盛り上がりを見せていた。
最高で最凶な戦いを! ディアボロ→←自称女神に誘われ 四十里野鎬
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フウ(プロフ) - 続編完成いたしました! (2023年4月4日 10時) (レス) id: fb8260418f (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 新章作ります…! (2023年4月4日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新しました! (2023年4月4日 0時) (レス) id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - 更新します! (2023年4月3日 23時) (レス) id: 3fddc0398e (このIDを非表示/違反報告)
雨咲(プロフ) - 更新しました!(可能であれば、幻想入り後の鎬と栞と会って頂きたいです!栞は未登場ですが、幻想郷ですぐに鎬と合流する想定なので栞も忘れずにお願いします!) (2023年4月3日 22時) (レス) id: f4c6e65f12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サナティ x他8人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2023年2月20日 17時