第三十三話 ページ35
「っあーもう!!」
ーーーー異能力「壊れた夢」
その刹那、彼、太宰治を中心とした空気の泡?みたいなのができる。そして、治の前に、妹である佑子が駆け寄る。
「兄さん!大丈夫?」
「う、うん、大丈夫。」
そう、太宰兄妹が会話している。そんな時
「あの大鎌は、異能力じゃないんだ。だって、治君の異能力無効化に例外はないから。」
優羽はそんなことを呟いていた。
「太宰君、優羽君、佑子君。君達を殺すのは私の本意ではない・・・。だが君の掴んだ真相を森殿が知れば、私に刺客を差し向けるだろう・・・。すまないが、中也君と共に死んでくれ」
そしたら、治が、ふっと笑って
「あー・・・。こりゃ無理だね。諦めて死のう」
「はァ?何だそりゃ。寝言か?」
「いや無理でしょこれ。欧州の異能諜報員だよ?・・・勝てる訳ないよ」
「太宰君の云う通りである。」
そしてそこで、蘭堂は一度言葉を区切り、
「君を死体にせぬ限り、私の目的は達成されない。8年前.・・・・・・君を奪って脱出しようとした私は、ミスを犯して敵に囲まれた。そこで君を____荒神たる荒覇吐を異能として取り込めば、より強い異能になるのではと考えた。そこで君を撃ち、取り込んだのだが・・・想定の外のことが起こった。取り込まれたのは、安全装置だったのだ。君は荒覇吐に刻み込まれた、暴走を防ぐための護符のようなものだったのだろう。取り込もうとしたことで安全装置が外れ、荒覇吐の完全なる姿が外へと顕現したのだろう。_______後は私が話した通りだ」
「今度は君の首を刎ね、本体である荒覇吐を完全に絶命させてから取り込む。______抵抗は無駄でしかない」
「ふむ。・・・蘭堂さん。提案がある。中也くんに諦めるよう説得するから、時間をくれ」
「・・・何分だ?」
「5分欲しいな」
「2分なら構わん」
「・・・・・・」
そのやりとりを聞いていた優羽が怪しげな笑みを浮かべたのを誰も知らない。
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作者名:十六夜紅葉×山吹 x他2人 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年6月15日 20時