第二十五話 ページ27
何してんの？え、何してんの君たち？え、え？あれ？何でこうなったんだっけ？ま、まぁいいや。そんなことを思っていたら、まだ言い合いしていたようで、
「判ってるっつうの！莫迦にするのも大概にしろよ！」
「大変結構。ならどちらが先に犯人を捕まえられるか勝負しよう。君が勝てば先程の勝負の賭けは無かったことにしていい。でも僕が勝てば、君は一生僕の犬だ」
と云う声が聞こえた。･･････お兄ちゃん、判ってないでしょ、多分？うん多分。
「ふん。きつい条件を出せば俺が怯むとでも思ってんのか？」
あ、ダメだ。
「薄っぺらなハッタリ野郎め。上等だ、受けてやるよその勝負。俺に狡猾さも周到さもないだと？手前みたいな奴に、俺の奥の手を見せる訳ねえだろうが」
「いいぞ少年、挑発を受けて立つ時の口上としてはなかなか良い。褒めてあげよう。よーしよしよーしよし」
わぁ、すごーい。久しぶりに僕もお兄ちゃんに頭撫でてもらいたいなぁ。
「頭を撫でんな！」
面白いよね。っていうか、相性って、合うよね？やっぱり。
「なら質問を変えよう。強靭な荒神である荒覇吐。なぜ君はそれを探している？」
「･･･それは」
え？ふっと、他のところに視線を巡らすと見慣れた人たちの姿が。
「うん？どうした中也君？」
「俺の名前を呼ぶな！」
･･････嫌な予感しかしないんだけど。
「おーい中也君！さっさと仕事をしに行くよー！首領の命令だろーう？」
「なっ･･･手前･･････っ！」
お兄ちゃん、ダメだよ反応したら。これ多分、反応しちゃいけないやつだよ。そんなことを思って、ため息をついたら、
「中也！優羽！はあ、やっと見つけた！2人とも捜したぞ！」
「お前達、無事だったか。良かったな」
『ほんとだー、まぁ、2人が無事なだけでもよかったよかった』
「何のんびりしてんだよ中也も優羽も！知ってるだろ、晶や省吾達がマフィアに攫われたの！」
『それは、私もお兄ちゃんも知ってるけど。』
「心配すんな。今、対処中だ。攫われた8人は無傷で帰ってくる」
対処中･･････なのかな？
「対処中ってどこが？中也と優羽がマフィアに屈服して使い走りの犬みたいに仕事をさせられてるって噂になってるんだぞ！･･････まあそれはいいよ。早くマフィアのアジトに殴り込んで痛い目見せてやろうぜ！」
なんでそうなんの？
「その前に、荒覇吐の噂について、何か追加情報は？」
「あ？ああ...。勿論調べは進んでるよ。噂の数と出所を追ったけど、一番多いのはこの二週間ほどだな。黒い炎や先代首領の噂は二週間で爆発的に増えてる」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十六夜紅葉×山吹 x他2人 | 作者ホームページ：http://yuuha0421
作成日時：2023年6月15日 20時
