第七話 ページ9
『治・・・?』
どうやら、樋口さんに盗聴器を仕掛けていたらしい。ちょっとそれは意味がわかんない。その後、結局引く感じになった。けど、
『れん・・・』
みんなはもう戻ろうとしていたけれど、オレだけは戻ろうとはできなかった。否、しなかった。
『・・・またね』
“またね”
あの人とのソレとオレの言葉が重なった気がした。そしたら、ほんの少しの軽い頭痛が襲ってきた気がして嫌になる。そして、帰ってきた。
『・・・』
「あ、あの、翼さん?」
『んぇっ?どうしたの敦くん?』
「い、いや、何か考え込んでるみたいだったので・・・」
『・・・ううん、なんでもない。気にしないで。』
そして、ほんの少し軽く微笑んでみせる。敦くんは納得してなさそうだったけど。
「翼さん、あの・・・」
『どうしたの?』
「何かあったんですか・・・?」
『え?』
「いや、マフィアの人たちと会った時から何かをずっと考え込んでるみたいですし。」
『・・・気にしないでってば』
「そ、そうですか?あ、あと、その、」
『?』
そして、少し敦くんの話に耳を傾けていた。どうやら、れんのことについて気になっているようだ。
『あ、れん?れんはね、オレの“元”相棒だよ。』
「・・・それに、戻ってきてって・・・?」
『あー、オレも元マフィアなんだ。』
「へ、へぇ、そうなんですか・・・」
『うん。』
「あ、あと、翼さんも、異能力者なんですよね?」
『うん』
「どんな、能力なんですか?」
『・・・人の願いを叶える能力だよ』
「えっ!すごいですね!」
『そうだね。』
ま、オレはこの
「僕も叶えて欲しいなぁ・・・」
『うーん、それは流石に無理かな』
「なんでですか?」
『条件があるからだよ』
「そうですか」
『うん』
そして、笑いつつ、ほんの少し軽い頭痛が襲ってきた。
“ねぇ、翼、どんな願いを叶えて欲しい?なんでも叶えてあげる”
“ならオレ、__と同じものが欲しい!”
“ふふっ、いいよ。けど、終わったら云うから、それを終えたら走って逃げるんだよ?”
“えーやだ”
“・・・はぁ、なら、抱きついてて”
“うん!”
“じゃあ、またね・・・”
“え?__?”
・・・変なの思い出したな。最悪。意味わからない。なんで、こんな時に思い出すの?
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