第六話 ページ8
やっぱり、攻撃系の異能力ってすっごいなぁ〜
あんなに……やば、虎くんの切れた脚を見たら、気持ち悪くなってきた。
やだやだ……
着いてきたのが、呆れられちゃう。
さっさと、罰を与えよう。
序でにつーちゃんにもこっちに戻ってくる様に説得しないと。
そう思考しながら、懐から
それを虎くんの方に向け、亦驚いた。
まるで、人の形をした獣!!半人半虎の形をした虎くんがいたから。
それに加え、先程羅生門が喰ろうた脚も回復しているではないか。
だが、時間経過と共に人間の形を保てなくなって、虎へと変化している。
半人は直様消えてしまった。
それに少し残念と思っているおれと裏腹に、嬉しそう?歓喜?の表情を浮かべる龍先輩に少しもやもやとした思いを抱きながら見ていると。
虎くんが本能のままに龍先輩に攻撃し、その攻撃の勢いのまま胴を抉られても尚、回復し続けている。
凄い疾さで……
だが、ここだけを見ていると、通常時の戦闘能力が高いわけでもないただの気弱な男ではないか。
何故この者に七十億もの賞金が掛けられている?
そう疑問に思ってしまった。
だが、応用の効く異能力じゃないか、こちらにも欲しいな〜
そんな事を考えながらも、戦闘系の異能力ではないおれは後ろに下がり、二人の闘いを見ていた。
「芥川先輩!」
そう一葉ちゃんが声を上げるが、龍先輩に突っぱねられてしまっていた。
俺はと云うと、龍先輩と虎くんが闘っている最中に元相棒のつーちゃんの元へと行っていた。
『ねぇ、つーちゃん。
戻っておいで。今もまだ、つーちゃんの居場所は残ってるよ〜?』
そう云い乍ら、身長を合わせる為に軽くしゃがんだ。
「戻らないよ?幾ら、れんに云われても、戻る気はないよ。」
そう云う、つーちゃんに呆れが限界に達したのか、
『あっそ、こっちだってタダで返す気はないよ。』
これは社会貢献ではない、救済でも、罰でもない。
只のおれの自己中心的な考えで戻らせる。
だが、矢張り今でも怠ってはいないのか一方的な攻撃は届かない。
そんな鬩ぎ合いを続けてると後ろから「はぁーい、そこまで」と云う声が聞こえてきた。
『太宰さん…』
そう声が漏れ、其方の方を見てしまった。
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