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第十二話 ページ14

敦くんが行ったのを見計らい、俺も立ち上がり追い出されるであろう黒蜥蜴を待った。
探偵社の窓から突き落とされる部下を眺め、莫迦な事をしたな……と思いながら、数人を回収した。

何人か運ぶのがめんどくさかったから、銀ちゃん、立原くん、広津さん以外の面々を殴り飛ばし、歩かせた。
何人か腕が折れていたりしていたが、お構いなしに歩かせた。

「浅霧君、すまないな……」

そういう広津さんに冷酷で突き放す様な目線を向け、無視した。
ここで慰めるという選択肢を取る事はない。
任務を遂行できない奴に優しさなどいらない。

判断を違える“カミサマ”なんて要らない

『真逆、先輩が判断を誤るとはねぇ。』

そういうと立原くんが「今回は芥川さんの命令はなかった。」と云ったのを聴き驚いた。
一葉ちゃんの単独か……それでこんな被害を出して……

溜め息を吐きたくなってしまう………
そう思い乍り、運んでいると携帯電話に連絡が来た。

『はい、浅霧です。』
[任務だ、早急に帰ってこい。]

端的に伝えられ、返事をする間もなく電話は切られてしまった。
そして、本部へと帰ると同時に芥川さんから任務を命じられた。

そして目を向けるのは芥川さんの横にいる黒い髪の少女、名は泉鏡花と云うらしい。
殺しに特化した異能を持ち、六ヶ月で三十五人殺したと云う話を聞いた。

「次の任務、お前は鏡花と梶井と共に列車に乗り、人虎を捕えろ。
呉々も殺すな。生きて此方へ持ってこい」

そう命じられた。
『はぁい。
ねぇ、鏡花ちゃん。おれは浅霧蓮って云うんだ。
次の任務よろしくね。』

笑いかけると、警戒した様な様子を見せたが、こくりと頷いてくれた。
だが、俺には次の任務と言ってたが、鏡花ちゃんはその後直ぐに別の任務を行うらしく、指定の場所へと行ってしまった。

六ヶ月で三十五人……
異能発現した際の俺で何人だっけ。
両親と教団員含めて……いや、俺が殺したわけじゃないな。
自ら殺し合いをしたんだ。

俺が殺したのは三人。
姉君と六つとなる妹と八つになる弟……
今も救済を受けれず苦しみ続ける無垢な魂だけだよ。

どう云う死に顔をしていたのか、どう声を上げたのか、何もわからない。
でも、三人は俺のせいで死んだ。

其の記憶だけがここに留まっている。

そう思うと心に陰が落ちてしまう

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作者名:朝宮藍良×木暮 x他1人 | 作者ホームページ:ありませんっ!  
作成日時:2023年9月22日 17時

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