【文スト】狂った世界より贈り物を【合作】 (ページ12)

今日:21 hit、昨日:11 hit、合計:1,169 hit

第十話ページ12

部屋に入って、異能力の副作用を体で感じていると、別室で一葉ちゃんが誰かに話しているのに気づいた。
そっと聴き耳を立てていると、黒蜥蜴に連絡をしている様だ。

探偵社を襲撃する……そう聴いて居ても立っても居られなくなり、探偵社の方角へと急いだ。
龍先輩もきっと加担している筈…なら、おれに止める権利はない。
だけど、つーちゃんと太宰さんに云えば……

あれ、なんで、敵たる相手に救援を贈ろうとしてるんだ？
かつての相棒や師匠でも……

あぁ……おれ、ダメだ……
これじゃあ、ここにいられなくなる……

走っていた脚を止め、探偵社の付近の路地裏で縮こまった。
そして、白髪の子が大荷物を持ち、歩いているのを見つけ急いで捕まえた。

『…虎くんだよね〜？』

そういうと、突然この前の敵に話しかけられ、身を強張らせる。

「な、何の用ですか？云っておくと、僕は探偵社を辞めたんです。」
『だから、探偵社を襲うなって？』

髪の毛の結いを解き流す、上着を脱いだ。
これだけで多少バレるまでの時間を稼げる。
路地裏にいるとは云え、通行人にバレ通報されたら面倒だ。

まぁ、いずれ殺す存在にバレたとてなにか悪影響はない。

『本気で云っているなら、さっさと帰って。
こっち(マフィア)はそんな辞めた辞めてないが通用する世界じゃない。』

一度でもターゲットを守った者は全て殺す。そんな世界。と付け加えると、敦くんは青褪めた。