第九話 ページ11
そして、その日の夜。
真紅の中に独り立ってた。
『･･･はぁ』
なんだかんだで、根は変わらない。オレは結局、人殺しのまま。だけど、
「赦して･･･」
『え？･･･もしかして、それが、“願い”？』
「あ、嗚呼。そうだ。」
『ふーん、そっか。』
そう返した瞬間、その人が叫び、血を流し死んだ。それなりの代償がいるようだった。
『･･･悪いものを壊しさえすれば･･･
良いものだけが残るのに。』
きっと、全て全て悪さえ壊せば、良いものしかなくなるから。
『･･････ねぇ、＿＿？悪いものさえなければ、
＿＿は死んでなかったよね？』
だから、だからオレはさ、
悪いものを壊すんだ。
そしたら、いつかれんも、マフィアのみんなも、
『･･･結局、オレの願いは叶わずじまいじゃん。』
ねぇ、本当にオレの願いが叶うのなら、
『･･････逢いたいよ。ねぇ･･･』
この願い、叶えて。･･･なーんてね。
『･･･はぁ、帰ろ』
そう呟いて、帰ろうとした時、昔使っていた携帯が鳴った。
『･･･誰から･･･？』
オレは慌てて携帯を取り出し、電話に出る。そしたら、
［よォ、久しぶりだな］
真逆の、中也だった。何故に？？
『ひ、久しぶりだね、どうしたの？』
動揺を隠すのに精一杯だったけど、冷静な声色で返す。
［いや、久しぶりにお前の話題が出たから、久しぶりに声が聞きたくなってよォ］
『ふーん、そっか。･･････ねぇ、中也』
『今度、どっか行こうよ』
と、尋ねる。そしたら、
［おー、いいぜ。ま、出張終わったらな］
と云われた。出張中だったんだ、と内心思いつつ、
『そう、またね。』
と云い、電話を切る。･･･久しぶりに、中也の声聞いた。
『ほんっと、＿＿＿＿＿＿＿＿＿。』
最後の方の言葉は風のせいで、自分でもうまく聞こえなかった。
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