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※「アーチャー要素無いな」って思って題名変えました。

さて。色々決意して、目下問題は熊の死体。俺も姉さんも捌き方なんて分からない。一応自在蔵には入るみたいだけれど血が滴る生肉を入れるのは抵抗がある。どうしたものか…
「瞬斗、何とかなる、かも」
恐る恐るといった風に死体に手を伸ばしていた姉さんだが、解決方法を見つけたようだ。
「いくよ、[吸血]」
ズズ、と血が姉さんの籠手に集まっていく。確か吸血スキルは相手のHPを吸収して自分に還元するスキルだったはず。‘こっち’ではリアルに血を吸収するのか、死体が干乾びていく。
ふぅと一息ついて手を放す。どうやら終わったようだが様子がおかしい。手を見つめながら腹を擦っている。
「姉さん、どうかした?」
「なんか、何も食べて無いのにお腹いっぱいになった気がする。種族特性ってやつなのかな」
もしかしたら大蒜が食べられないかも、と明るく言ってはいるがどこか不安そうにしている。
当然だろう。今までとは食生活が一変する可能性があるのだから。それに俺も何か変わっているかも知れない。狐は肉食だから、生肉を好むようになるかも知れない。改めて、これが自分の体では無い事を実感した。
「これからどうしようか」
「近くに街でもあればいいんだけどな」
まだ自在蔵に食料はあるが、いつか尽きる。最悪動物を狩って食べなければならなくなる。その前に街を見つけたいところだが。
「わたしが飛んで探そうか?」
飛ぶ?そうか、吸血鬼のスキル[飛翔]。一定時間翼を生やして飛ぶ事が出来るスキルだが、ここで機能するかどうか。
「落ちても大変だから余り高く飛ばないで欲しい」
「わかった。地上の警戒はお願い。[飛翔]」
背中に突然生えた翼に少し戸惑ったようだが、すぐに安定して浮かび上がった。上空に上がってしばらく辺りを見渡していたが、どうやら無かったようで落胆した雰囲気を漂わせていた。
「ごめん、見付けられなかった」
「そっか…となるとここは余程の秘境だなぁ」
周囲を見渡して街が見当たらないとなるともはやどちらに進むか検討も付かない。
「でも川はあったよ。そこに行かない?」
川。飲み水が確保出来るかも知れない。
「行ってみよう」

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作者名:くろ | 作成日時:2020年7月26日 20時

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