末っ子彼氏に 兄6人 5

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心ここに在らずの状態で、音楽室に戻った


なんだか…さっきの話が頭の中をグルグル回ってる。


章「ん？Aどうした？」


章大兄が声かけてくれたんだけど…答えられなかった。


「笑顔が増えたって事は、忠義くんの優しさに、真面目さが溶かされたのかなぁ〜？
クラスの女子の中にも、優しい忠義くんにときめいちゃってる子、いるしね」


そうなんだ…

全然知らなかった…


河合さんも、他の子も たぁくんを…


頭の中 整理できなくて、なんか、
苦しくなっちゃって

「兄達、ごめんなさい。用事思い出したから、先に帰っても良いかな？」


亮「お、おん、大丈夫やけど…」

「ごめんね」


章「忠義には？Aから伝える？」

なんか、返事できなくて。


章「ん、分かった、兄からゆうとくな」


「ありがとう…」


章大兄が「気をつけて帰るんやで」と声をかけてくれたんだけど、返事できず、後ろ手にドアを閉めて部屋を出る。


教室へ向かう廊下を避け、階段を降りる。

誰もいない廊下を歩いて昇降口へ


いつもは聞こえてくる外の部活の子達の声さえ、今は耳に入ってこなくて。


靴に履き替えて外に出ようとしたら


「Aちゃん、Aちゃんってば！」

肩を掴まれた


びっくりして振り向いて見えた顔を見て、複雑な思いが出てくる


田口くん…


田「どうしたの？何かあった？ずっと呼んでたのに聞こえてない感じだったから」


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