Seven Colors[ヒロアカ/轟焦凍] (ページ7)

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生憎、痴漢で怯えるような性質ではない

私を標的に選んだのが運の尽きだな、などと余裕の笑みを浮かべて大声をあげようとした

が、

『、！？』

声が、、出ない、？

喉になにか詰まったような違和感があって全く声が出せない

｢声出ないでしょ？俺の個性。｣

耳元でボソボソと囁かれて寒気がする

仕方ない

あまり事を荒でたくなかったがこっちも個性を使わせてもらおう

なのに

『、、、！？』

個性が使えないどころか手も足も全く動かない

｢君、ヒーロー科？体育祭で見たことないから1年生かな。｣

｢個性が出せないのは俺の個性。触れた人の体の自由を5分間奪うっていうヘボ個性。痴漢にはちょー使えるけどね｣

痴漢は2人もいたのか

なんて分析してる場合じゃない

両腕は吊革に掴まった状態で固定され、ブラウスの中を手がモゾモゾと動く

なにか、なにか解決策は…

どちらかの個性さえ解ければ…

が、生憎の混み具合

暑くて思考もぼーっとしてくる

5分間さえ我慢すれば…

そう思ったその時

｢ぶっ殺すぞテメェら｣
｢いい大人が恥ずかしくねぇのか？｣

『熱っ冷たっ』

おぉ、声出た

勝己の爆発が熱いしもう1人の子の個性…冷気…かな…が冷たい

｢次の駅で降りろ｣

｢必要ねぇ。今ここでぶっ殺す｣

物騒なことを言っているのは勝己

もう1人の氷の子も雄英生みたいだ

無事に駅員さんに痴漢2人組を渡した

勝己は最後まで俺の手で殺すとかなんとか、ヒーローらしからぬ発言を公の場でかましていた

『勝己、もういいから』

制服の袖を引っ張ると自分の手が震えているのが分かった

｢…｣

勝己もそれに気付いたのか、じっと私のことを見てくる

『入学式遅れるよ？』

｢演技すんならもうちっと上手くやれや下手くそ｣

いつも通りの笑顔をつくったつもりだったが勝己にはバレバレなようだ

｢今度はちゃんと掴まっとれよ｣

勝己の大きな手が私の手を包み、電車の方へ引っ張っていく

私は俯いて本当の笑顔を浮かべながら小さな声でうん、と言った