Seven Colors[ヒロアカ/轟焦凍] (ページ15)

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『じゃあね、出久！怪我お大事にね！』

｢うん！(サラッと頬の傷治してくれてる…)｣

勝己の隣を歩くこと数歩、オールマイトがバビュンと飛んできた

勝己にとても教師らしい良いことを言っていた

…まぁ勝己には逆効果かもしんないけど

オールマイトは今度はこちらを向いてニコッと笑った

私も釣られて笑う

｢爆豪少年！青春だな、HAHAHA！！｣

｢うっせぇオールマイト！！｣

『…？』

｢てめっ！引っ張んなおい！どこ連れてくんだよ！！｣

静かな街中で少年の怒号が響き渡る

それをものともせず引っ張り続ける少女は傍から見ても勇気があるといえるだろう

少女はなかなか年季の入った店の扉を開いた

美味しそうなカレーの匂いが2人の鼻腔をくすぐる

｢お、天ちゃんに勝己くん！久しぶりだね～高校生になったのか！制服似合ってるぞ～｣

『ありがと～』

水を置きに来た店長らしき人物は朗らかに笑った

｢勝己くん10辛、天ちゃん10甘でいいかな？｣

『さすがおっちゃん！』

常連らしい2人のメニューをとると店長は厨房に引っ込んでしまった

｢んだてめぇ、こんなとこ連れてきやがって｣

『んー勝己慰め会、的な？』

｢…チッ｣

2人とも何も話さない

聞こえるのは店長がカレーをつくる音だけ

｢おまちどーさん｣

5分程たった後、店長がカウンターにコトリとカレーを置いた

先程までふてくされていた少年の目にも光が宿る

『いただきまーす！』

2人はパクパクとカレーを食べ始めた

『ちょ、勝己、カレーもっと離して！臭う！』

｢臭うってなんだゴラ！！美味そうだろ！！｣

真っ赤なカレーから漂う様々なスパイスの匂いに甘党である彼女は顔を顰めた

｢…甘ぇ。よくそんなもん食えんな｣

彼女のカレーを1口掬って食べた彼は彼女同様顔を顰めた

『なんでよ美味しいじゃん』

｢カレーは辛いから上手ぇんだろ｣

『…あ。』

パカッと口を開いた彼女を不思議そうに見る彼

数秒後、意図を理解したらしい彼は自身のカレーをすくって彼女の口に押し込んだ

『か…』

｢か？｣

『辛ッッッ！！ゲホッゲホッ！！水！！』

｢それ俺んだ！！｣

周りの言葉など一切聞こえない様子で水を飲み干した

『うぇぇぇ、人間の食べ物じゃないよ、それ』

｢それはさすがにおっちゃんに失礼だろーが！！｣

そんな2人を店長は微笑ましげに見つめた