朝顔 ページ31
約2日後、私は再び事件の被害者となる
｢またか｣
一人暮らししてると独り言も増えるもんで思ったことが勝手に口から出てくる。その言葉が耳に返ってくると入り込むその音に寒気がした
一人なのに
普段なら絶対に何より安心できる筈なのに
...怖い?
私は考えるのをやめる。そして再び文面に目を向けた
『どうせまだ連絡とってるんだろ、さっさと消えろ』
消えれたら、高校の夏にとっくに飛び降りてるって。消えれたら、こんなに苦しみに心臓抉り出されそうになりながら寂しさに奥歯震わせて生きてないんだよ
しがみつくわけでもなく縋ることも出来ず、ただ寄りかかられれば倒れ、手を引かれれば転ぶ人生を無駄に生きてんだ。死を持ってすべての終わりだと思うな
お前はなんもわかっちゃいないな
私はキーボードに手をかけた
この間新調した押し心地が最高に軽い優秀なやつ
ふと我に返ったときには、もう既にそのメールに返信をし終えていた
『お前が誰だか知らないが、私を追い詰めるために犯罪は犯すな。私を妬んで自分を追い詰めるな。お前のその言葉でとりっぴぃの名を汚すな。大事にするつもりは無いからさっさとやめとけ』
我ながら、なんて優しいんだろうと思う
更生させようなんて気持ちは微塵もなかったが、単純に私のせいだと言われることが癪だったし、私は、自分に近い人間は極力いないに越したことはないと思っていた
私は一度席を離れる。グラスに麦茶を注いで戻ってくると、既に返信がきていた
『嫌いだ』
たった3文字だった。たった3文字で、私に重くのしかかったその言葉は、今までに感じえなかった感覚を植え付けた
痛いな
私は今寂しくて、1人が嫌で
嗚呼、どうやら怖いらしい
光を浴びてしまったから、暗闇に戻るのが怖くなってしまった
とり、今だよ今。電話かけてくるのは今だ。
晩御飯が美味しかったとか新しいゲームがよかったとか悪かったとか、会社の事務の人とデートの約束取り付けたとか、そんな、くだらないこと話して聞かせてくれよ、今お前の声を聞かないと、私はきっと小さい体が更に小さくなって世界に認識されずに消えてしまう
光る携帯、画面の表示にははんじょうの文字
お前じゃないんだよ顎、出直して来い
それでも私は文面を見る
『今から行くからどっか行くんじゃねぇぞ』
自分勝手か。というか私は明日も仕事だよ何しに来るんだあの顎
『開けると思うなよ』
とだけ返してベッドに端末を放り投げる
まぁでも今日くらいは許すよ
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沙夜(プロフ) - 更新待ってましたああ〜ゆっくりのんびり頑張って下さい！ (2019年4月14日 20時) (
レス) id: ee250ce5d7 (このIDを非表示/違反報告)
りんごバスケ(プロフ) - うおー！更新来たー！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年4月12日 21時) (レス) id: 749ec7ea50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ぽさん» 単純に読んでいる方の好みだと思って頂けるのが嬉しいです。尚且つそれを言葉にしていただいて、本当にありがとうございます (2018年9月23日 0時) (レス) id: 7602c113be (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 薊さん» コメント頂いてから更新までにお時間頂いてしまってすみませんでした。応援していただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。これからも更新続けていきたいと思いますのでどうぞ最後までお付き合い下さい (2018年9月23日 0時) (レス) id: 7602c113be (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 沙夜さん» たいっへんに遅くなりましたすみません。いつもありがとうございます。頂いたコメント等すごく励みになっております。最近あまり頻繁に更新はできていないのですが終わりまでやりきるつもりではいますのでどうぞお付き合いください (2018年9月23日 0時) (レス) id: 7602c113be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年2月11日 21時
