無色 ページ24
イベントが終了してその日の夜、私は次の日に仕事があるため打ち上げには参加せずに帰っているところだ。仕事がなくても参加しなかったとは思うがそこはまぁいい
私の手に握られているのは見知らぬ中国人から貰った手紙
彼女は私に最後｢貰ってくれてありがとう｣と言った。綺麗な心の人間に全てを浄化されそうな勢いだ
最寄り駅に着き、改札を出ながら考える。晩御飯のことと、今日のこと
そのままの足取りでコンビニに入ってお酒と適当なご飯を買って流れるように店を出る。お店と言う場所はコンビニであってもあまり好きじゃないし、早急に出たいところだ
暖かくなってきたとは言えまだ冷える。月明かりと街頭だけが白い夜に、私はふと緑色を思い出した
まだらで、しましまで、濁った緑
思い出してすぐに立ち止まってしまう。透き通ったものを、濁らせたのは私だ。もうきっと戻らない。私がそうであったように
近くの閉まった店の窓ガラスで自分の瞳を見る。どうなっているのか、暗くてよくわからなかった
腰のあたりで、携帯が鳴る
画面の表示を見ると、とりだった
まぁ予想はできていたが
｢ん｣
出ると彼はいつもと違う声を出す
｢もう着いた？｣
私がよく聞く眠気を孕んだ声よりも、ずっと蕩けた甘い声
｢じゃなかったら出てない｣
呂律が回っていない。アルコールにやられているんだろうか
｢そっかぁ｣
しばらく意味不明な笑いを続けた後に静かに口を開いた
｢せんたんさん泣いてたよ｣
ずく、と言うべきか。心臓が握り潰されるような痛みを覚える
｢何でさ｣
乾いた笑いしか出てこない。動揺しか伺えないのは100も承知だ
｢何でだろうね。でもずっと葵さん傷つけたかもしれないって。そんなに飲んでないのにフラフラでさ｣
少し痛みが和らいだ。最低だ。彼が傷ついていないとは限らないのに
｢何かあったの？｣
私が黙っているからか、鳥は追うようにことばを続ける
｢何でも。とり、先端恐怖症の連絡先送っておいて｣
｢どしたの急に｣
｢用事ができた｣
｢別にいいけど、傷付けないでねせんたんさん｣
｢うるさいな、わかってるよ。濾過するためだから｣
｢濾過…？｣
｢いいから早く送っておいて｣
乱暴に通話を切って家に向かって歩く
貴女のようにはなれないが、美しい心と瞳を持って、浄化活動くらいはしたいと思う
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沙夜(プロフ) - 更新待ってましたああ〜ゆっくりのんびり頑張って下さい！ (2019年4月14日 20時) (
レス) id: ee250ce5d7 (このIDを非表示/違反報告)
りんごバスケ(プロフ) - うおー！更新来たー！これからも頑張ってください！応援してます！ (2019年4月12日 21時) (レス) id: 749ec7ea50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ぽさん» 単純に読んでいる方の好みだと思って頂けるのが嬉しいです。尚且つそれを言葉にしていただいて、本当にありがとうございます (2018年9月23日 0時) (レス) id: 7602c113be (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 薊さん» コメント頂いてから更新までにお時間頂いてしまってすみませんでした。応援していただけてとても嬉しいです。ありがとうございます。これからも更新続けていきたいと思いますのでどうぞ最後までお付き合い下さい (2018年9月23日 0時) (レス) id: 7602c113be (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 沙夜さん» たいっへんに遅くなりましたすみません。いつもありがとうございます。頂いたコメント等すごく励みになっております。最近あまり頻繁に更新はできていないのですが終わりまでやりきるつもりではいますのでどうぞお付き合いください (2018年9月23日 0時) (レス) id: 7602c113be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2018年2月11日 21時
