TH ページ8
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退勤して会社を出て、駅までの道を歩いてる途中で突然後ろから肩を叩かれた
「やっほ」
『っびっくりした』
振り向けば帽子を深く被って立ってる人が一人
「一緒に帰ろ」
『バカ、ここ外だよ!?』
「大丈夫でしょう」
『もー危機感がないんだから』
慌ててタクシーを拾い、向かうは私の家
当の本人は気にしてなさそうで鼻歌歌ってる
『どうかしたの?』
「ん?なんで?」
『いつも連絡してくるのに、今日はいきなり声かけてきたから』
「たまにはいいじゃん」
本当にテヒョンは自由気ままって言葉が似合うなぁなんて、口には出さないけど思ってしまった
タクシーを降りればズンズン私を置いて進んでいくテヒョン
慣れた手つきで私の家の鍵を開けて、小さなソファに勢いよく座った
ふーっと大きく息を吐けば、何かを考えているのか、背もたれの奥に頭が消えていく
とりあえずホットココアを作って出してみれば、消えていた頭が戻ってきた
笑顔で受け取ったテヒョンを見れば、いつものような気もするし、違うような気もする…
『やっぱりなんかあったでしょ?』
「…んー、Aにはバレちゃうね」
ココア美味しいねって、ほんわか笑顔で言ってくれたのを見る限り、とても深刻な悩みではなさそう
「Aは寂しくない?」
『何が?』
「え!一緒にいる時間少ないじゃん!?」
『あぁ、でもそれは仕方ないよ』
「んー…仕方ないで済ましたくない…A一緒に住もうよ」
『ダメダメ、それは私がもたないから』
「いつもそう言うよね、わかんないじゃんそんなの」
テヒョンの隣に座って答えれば、口を尖らせながらじーっと見てくる
まるで静止画みたいに全く動かなくなったテヒョンに少し心配する
どれくらい過ぎたか、急に動いたテヒョンはそのまま覆い被さってきて
バチっとあった目が物語るこの先の未来に、少し恥じらいが出てくる
「まあ、たまに会えるからある情熱ってのもあるよね」
そう言いながら私の唇を奪っていくあたり、やっぱりロマンチストだよなぁって思ってしまう
そんなテヒョンが好きなんだよなぁって、彼の首に腕を絡ませながら考える
バレンタインに間に合わせたくて小さい脳を搾り尽くして出したんですが…
まあ、これはこれかなって割り切って出しました
そしてバレンタインは間に合いませんでした笑
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作者名:ユウ | 作成日時:2023年1月31日 2時