真実とコール音 ページ42
もう、嫌だった。これ以上モヤモヤする、嫌な予感を抱えるのは。
そう思ったら、スルスルと言葉が出てきた。
「...ちゃんと話してほしいの。あの時の電話のことも。これから一緒にいるために、ちゃんと知りたいよ。」
〔...本当にあの時の電話は後輩だよ。それに間違いはない。〕
「あんな時間に電話来ること、今までなかったから。」
随分と長い沈黙の後、口を開いた彼。
〔...A？俺さ、Aともっと早く出会いたかった。〕
「...え？どういうこと？」
嫌な予感がきっと的中したんだ、背中に冷や汗が流れた気がした。
〔...Aのこと、ちゃんと好きなんだ。それは本当。〕
〔でも、もっと早く出会っていた彼女のことを切り離すこと、出来なかった。...ごめん。〕
「...急にどうしたの？え？」
〔...ごめん、A。傷付けた。ごめん。〕
「...他に、誰か、いたってこと？それを隠して私と...？でも、2年も経つんだよ？私たちが付き合ってから。」
〔......ごめん。彼女とは学生の時に出会って、付き合ってた。別れてから、Aと出会って、でも、今から半年前に、また後輩として、再会して。〕
「.....もういい。もういいから。」
聞きたくなかった。
涙も出なければ、頭も働かない。
今までの時間は何だった？何で気付かなかった？
そんなことしか頭に浮かばなくて、目の前は真っ白だ。
そこからは、よく覚えていない。
彼から、もうこんなふうに会えない、って言われた以外は。
どうやって帰ったかも、何を言ったかも思い出せない。
気付いた時には、電話をかけてたんだ。
ごめん、本当に電話してごめんね、北斗くん。
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ユウ(プロフ) - chiiiさん» コメントと、とても嬉しい言葉ありがとうございます。ゆっくり更新にはなりますが、お付き合い頂けたら嬉しいです。 (2021年3月9日 2時) (
レス) id: 5c9c115c79 (このIDを非表示/違反報告)
chiii(プロフ) - お話一気に読みました！更新、楽しみにしてます。 (2021年3月7日 22時) (レス) id: 461d1077d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2021年2月24日 17時
