会いたい ページ19
(hokuto side)
あれから、電話が来ないか、空き時間にいつもよりスマホを確認してた気がする。
メンバーにも何かおかしくね？ってツッコまれたけど、何とか誤魔化して乗り切った。
長丁場の撮影で、時計を見ると22時が過ぎてた。最近は、忙しくさせてもらっててありがたい。
プルルル...
あんまりこんな時間に電話来ることないけど誰だろ？
...知らない番号からだ。
まさか、と思って、呼吸を整えてから電話に出た。
『...え、あ、もしもし。』
「...もしもし、松村、さん、ですか？あのスマホ、拾ってくれましたよね、その時の」
Aさんからだ。
電話をしてくれたことが嬉しくて、ニヤケそうになる顔を抑えた。
『...Aさん、ですよね？...電話待ってました。』
焦って、待ってたとか言っちゃったよ。
「...あ、お待たせしました。ん？おかしいですね、お待たせしました、って。急にかけて、なんか、ごめんなさい...」
スマホを拾った時よりも、ちょっとだけ陽気に聞こえる声に、酔ってるなってすぐ分かった。
「...バッグにクシャクシャの紙入ってて、かけちゃって、えっと...」
『...電話、嬉しいです。Aさん、なんかありました？酔ってる？』
「...いや、何もないですよ...何もないです、ほんとに...」
陽気な声色だけど、俺にはやっぱり寂しそうに聞こえた。
頑なに、何もないと言うAさん。
...絶対なんかあったでしょ。だから俺に電話してきたんでしょ。
電話しながら目を閉じたら、やっぱりあの金曜日に見た寂しい顔が思い浮かんだ。
...会いたいと思った。すごく。
『...今どこにいますか？会いたいです。』
俺としたことが、そうやって無意識に伝えてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 382人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ(プロフ) - chiiiさん» コメントと、とても嬉しい言葉ありがとうございます。ゆっくり更新にはなりますが、お付き合い頂けたら嬉しいです。 (2021年3月9日 2時) (
レス) id: 5c9c115c79 (このIDを非表示/違反報告)
chiii(プロフ) - お話一気に読みました！更新、楽しみにしてます。 (2021年3月7日 22時) (レス) id: 461d1077d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユウ | 作成日時：2021年2月24日 17時
