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「慧人、今いい？」
大樹くんと談笑しながら帰る支度をしていたら、堀夏くんに話しかけられる。
「大丈夫です！どうしたんですか？」
「あのさ…」
けれど、支度の手を止めて堀夏くんの方を向いたところでタイミング悪く堀夏くんのスマホが音を立てた。
「あ、ちょっとごめん」
スマホ片手に部屋を出ていった堀夏くんを目で追っていると後ろから大樹くんの声。
「彼女かな」
「え？」
「電話。なっちゃん確か彼女いたよね？」
「そうでしたっけ…」
勝手にいないと思い込んでいたけれど、大樹くんが言うならそうなのかもしれない。
でも、、
「どうした？」
「いや…」
もやもやした気持ちが顔に出ていたのかな、心配そうに顔を覗き込まれてしまって。
「飯でも行く？」
「え…」
「だってなんか元気ないから！俺の奢りだぞ」
多少気分が落ちていたって笑顔でごまかすことくらい簡単なはずなのに、取り繕えないほど動揺している自分がいることに驚いた。
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作者名：彩音 | 作成日時：2022年10月7日 0時
