88 ファイアードラゴン戦2 ページ44
近づこうとすれば相手の足に絡まり間違いなく怪我に繋がる。よく見えない、今誰がボールを。
タクティクスの勢いが段々と弱まり、視界がクリアになった。
「…え、」
「「チームメイト同士でクラッシュだ！」」
全員が急いで2人に駆け寄る。
…不運にもボールを取ろうとした場所に2人の足が激突。あの包囲陣に囲まれたプレッシャーもあるのか。
「まさか、得点源の吹雪君を狙ってッ…」
相手を強く睨めば、私の言葉に肯定するかのように気味悪く弧を描いた。
吹雪君は当たり所が悪かったようで、足を抑えたまま動かなかった。
吹雪君に変わって虎丸君が入る。
緑川君のバックパスでボールを貰い、飛鷹君と上がる。よし、このまま技で＿
「パーフェクトゾーンップレス！」
「クッ…しまった、」
技を打つ体制に集中しすぎたあまり陣形に気付かなかった。瞬きをする間もない、ドンドン壁が迫ってくる。
「2人共！無理するな！」
飛鷹君が見当たらない、本当に目の前に居るのか。
右腕が震え出す。とにかく抜け出せないと…！
＿上だ、上を！
「わっ」
背丈が低くなったように上が見えなくなった。
ボールを取られた反動で尻餅を付いていた。
「…飛鷹君、気を付けて！」
その声も虚しく、飛鷹君が倒れた事を実況で知る。
ボールがこちらのゴールの方向に飛んでいくのが見え、やっとの事で立ち上がった。
南雲が飛び上がり、シュートを打った所で心がズンッと重くなる。
「「ゴーッル！韓国、同点だ！」」
…私がもっと早く陣形に気付けていれば…！
上に行くと決めたのなら迷わず行くべきだった…！
急いでみんなの元に行き、鬼道君の言葉を受け止める。
「みんな、泥のフィールドを思い出せ！」
…確かに、あのフィールドは技が上手く出せずに泥に突っ込んだ。
その位泥は体制を崩し、普通にプレーするだけで精一杯だった。
「…鬼道君、あのタクティクスさ、上には弱いかもしれない。」
「上？」
「うん、多分。横に回り続けるから、いきなり上に出されたら陣形が崩れて対応できないと思う。」
ベラベラと饒舌に口走れば、鬼道君は少し俯き口に手を当てた。
…納得してもらえないかもしれないと思い、視線を逸らす。顔が熱くなり、目をギュッと瞑る。話を遮ってしまったのかもしれない。
すると一歩、誰かが私の隣に立った。
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ビジュ(プロフ) - ほうじ茶さん» コメントありがとうございます！不定期更新となってしまいますが、ほうじ茶さんのご期待に応えるためにも少しずつ更新していけるように頑張りたいです(◍•ᴗ•◍) (2月29日 23時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - めっちゃ面白いです！！続き待ってます！！ (2月29日 20時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビジュ | 作成日時：2024年1月15日 23時
