86 初のスタメン、初のベンチ ページ42
目を丸くした。
テレビで何度か目にした人は何故か赤いユニフォームを纏っていた。
「あ、アフロディ！？」
「やっと会えたね。」
「長くて退屈したぜ。決勝戦までの道のりは。」
世宇子中のキャプテン。
そして両サイドに自信有りげの表情を向ける人達に反射的に左の緑川君の方を向いた。
「ガゼル！？」
「バーンまで、。一体何故ここに…」
緑川君が話していた人達。
2人の表情は疑問の色を抱えていた。
その顔を見るに、韓国人という事は知らなかったのだと思う。
「不思議ではないだろう？僕が母国の国に選ばれても。」
「俺達は、アフロディにスカウトされてこのチームに入った！」
「もう一度、君達と戦うためにね。」
納得して首を小さく振った。
アフロディは韓国出身。
エイリア学園の2人は日本出身なのか。
「そしてこのチームには、チェ・チャンスウが居る。」
見覚えの無い人に目を細める。
竜を操る者。メガネ君の話から、あの3人より警戒すべき人物と教えられる。
ただあの3人はとてつもない威力でシュートを打てる事位知っている。常に誰かがマークに付かなければ点に繋がるかもしれない。
という事は個人個人の能力が高いのかもしれない。
「よーし、やろうぜみんな！決勝戦だ！」
足を中心に大きく伸ばす。
すぐに捻挫してしまうような体になってしまったからには、1番世話をしてあげないといけない。
円堂君の方を見つめれば眉を下げ、心配そうに豪炎寺君を見ていた。
その表情に、声を掛けずにはいられなかった。
グイッと肩を引く。
「円堂君。
豪炎寺君のためにも、絶対勝とうね。」
「…あぁ、当たり前だ！」
私の言葉がバネになったようで、円堂君は一目散に豪炎寺君の元へ走り抜けた。
「ディフェンダー！
飛鷹、土方、壁山、A！」
「キーパー！
＿立向居！」
喜びが込み上がって来て顔に熱が集まった直後、すぐに体温が下がった。
みんなもそのような反応を見せ、立向居君は目を震わせて困惑していた。
決勝戦で円堂君を出さない、公式戦初の立向居君をここで出すなんて…
キャプテンマークは鬼道君が受け取り、何とも見慣れない光景が目に入ってくる。
…そもそも今回の試合に出られる事自体が奇跡だ。
爪痕を残して、世界へ羽ばたかないと。
胸に手を当て上を見上げれば、願うように手を合わせている人物が目に入った。
思わず視線を下に逸らし、何も見ていないと自分に言い聞かせた。
＿そうでもしないと、上手く平常心を保てなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ビジュ(プロフ) - ほうじ茶さん» コメントありがとうございます！不定期更新となってしまいますが、ほうじ茶さんのご期待に応えるためにも少しずつ更新していけるように頑張りたいです(◍•ᴗ•◍) (2月29日 23時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - めっちゃ面白いです！！続き待ってます！！ (2月29日 20時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ビジュ | 作成日時：2024年1月15日 23時
