85 迷惑極まりない ページ41
前の席に頭を強打した。
頭を触りながら大丈夫と声を掛ければ鬼道君は吹雪君を支えており、特に問題はないようだった。
何かあったようで運転手の方が指を指す。
立ち上がって目を細めれば5人。中央に大きな改造バイクに乗って道を阻む人が居た。
「お久しぶりですねぇ、飛鷹先輩。」
円堂君や飛鷹君は何故かその人たちを知っているようで、バイクの人は飛鷹君を煽っているように聞こえた。
「…迷惑だ。」
「あぁ。俺達は一刻も早く、会場に着かなければいけない。」
どうやら声に出ていたようで、その言葉は鬼道君に肯定された。
「俺が行く。」
円堂君や飛鷹君がバスを降り始める。
円堂君を心配して先輩達が後を追った事で思わず私も立ち上がった。
「＿あ、Aちゃんは危ないよ。
女の子なんだし。」
またジャージを引っ張られる。
今度は強く、両手で。
一単語に顔を顰め、歯を食いしばった。
その表情が悟られぬように右を向いて、ゆっくり座った。
「円堂君…」
窓から様子を伺う。
円堂君は飛鷹君の肩を掴み、何かを止めているように見える。
「誰一人欠けちゃいけない。
俺達は、全員でイナズマジャパンなんだ。」
反射的に右後ろを見た。
豪炎寺君が目を見開き、円堂君の言葉をもっと聞こうと前屈みになっていた。
5人が拳を作り円堂君達に向けた時、嫌な情景が頭に浮かび、目を逸らしてしまった。
数秒後、目を開けた。
更に数名円堂君達の前に立った。
こちらを守るかのように足を踏ん張り、期待の眼差しを向けていた。
円堂君達がバスに乗り始める。
話を聞くに飛鷹君の連れだったらしく、ここの相手をすると強く宣言していた。
「い、いいな。」
この場に合わない発言をしてしまい急いで口を塞ぐ。
誰も聞いていなかったようで、安堵の息を漏らした。
鬼道君に先程の話の続きを求められると思ったが、予想外の行為に驚いたのか不動君の話題は出なかった。
小さな試着室で1人着替えた。
ユニフォームをスボンの中に入れ、靴紐を解けぬように結んだ。
外に出れば観客は大いに盛り上がっており、空いている席が見当たらなかった。
やはり多いのは日本人であり、ベンチに全員が集まれば歓声が上がった。
いつものように先輩と木暮君の間に入れてもらい、円陣にしっかり参加した。
「絶対勝つぞ！」
円堂君の言葉に拳を突き上げれば、全員の勝ちたいという思いが1つになった気がして何だか少しむず痒かった。
「元気そうだね。」
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ビジュ(プロフ) - ほうじ茶さん» コメントありがとうございます！不定期更新となってしまいますが、ほうじ茶さんのご期待に応えるためにも少しずつ更新していけるように頑張りたいです(◍•ᴗ•◍) (2月29日 23時) (
レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
ほうじ茶 - めっちゃ面白いです！！続き待ってます！！ (2月29日 20時) (レス) id: 47dba8b665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビジュ | 作成日時：2024年1月15日 23時
