永劫回帰【イナイレ】 (ページ7)

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子供に戻れない【基山ヒロト】ページ7

ここでの吉良ヒロトはアレスの天秤軸でなく、GO軸で吉良家に養子入りしたヒロトとの話です。

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「じゃあみんな、カンパーイ！」

奮発して今日は貸し切りの居酒屋。
学級委員の掛け声に合わせてグラスを上げた。
勢い良く上げすぎて少し溢れてしまった。
高校の時のクラスメイトに同窓会に呼ばれ、思い出を振り返ろうと参加した。
…それ以上に目的はあるけど。

学生時代勉強しか取り柄の無かった私は、都内の難関公立高校にギリギリで合格。

合格した喜びを噛み締めて入学式を終えた次の日。
凄い人が居ると1年生から3年生までの生徒、先生までもがその人に釘付けだったのを今も覚えている。

イナズマジャパン、基山ヒロト君。
彼は推薦でサッカー強豪校へ行くのかと思われていたが、通常校へ入学していた。
彼の存在は受験期でもサッカーが盛り上がっていたから知っていた。
確かに凄いなとは思ったけどこんなに好きになるとは。

本当に、一目惚れ。
ハートを撃ち抜かれるとはこの事だ。

外見、内面、勉強面、運動面。
あらゆる分野で男女問わず人気を集めた。

卒業式。
別れを告げる春に私は彼に思いを伝えた。
彼の学ランはぱっかり開いていた。

彼は私の思いにありがとうと応えてくれた。そして優しく断ってくれた。
私はそこで卒業式と一緒に初恋を卒業したかったが、結局24歳になった今も基山くんの事を思い出していた。
基山君と出会って以来、一度も誰かを好きになることはできなかった。

基山君と、話したい。
折角の同窓会。話せるチャンスと思ったのに、彼の席は端っこ。
もっと、早く来れば良かった。

基山君の隣で話す胸が大きくてパッチリとした目のクラスメイトに拗ねながらお酒を流し込んで嫉妬の気持ちを封じ込んだ。