永劫回帰【イナイレ】 (ページ3)

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疎外感を胸に【狩屋マサキ】ページ3

時空最強イレブン。
サッカーを救うために、時を超えて偉人のオーラを貰い、化身アームドを使用し…
セカンドステージチルドレンと戦うための11人。

私は、ホーリーロード中には化身を発動させていた。
女子選手は試合に出ることは許されていなかったが、私の力が必要だと大人達に身勝手に判断され、サッカー部へと入部した。
ベータのマインドコントロール波を受けることは無く、アームドも早い段階で習得することができていた。

だからオーラを貰うのも時間の問題だと思っていた。
私はこのメンバーの中でも出来る方だと錯覚していた。

神童先輩が信長とミキシマックスした時、私もあんな風になって目立ちたいと思った。
そうすればみんなは私に釘付け。みんなに認めてもらいたいと何度も願った。

ジャンヌ・ダルクの時も孔明の時もアーサー王の時も。

私はオーラを得ることが出来なかった。
誰からも認められず、ミキシマックスの台座はもうみんなが座っていた。もう空いていなかった。

ラグナロクに参戦するも呆気なく敗戦。
「次に繋げる1点」と誰かが言っていたが、負けは負け。勝ちは勝ちなんだ。

そして松風達時空最強イレブンは無事勝利。見事サッカーを救うことができたらしい。

私は席を離れ、何処かも分からない場所に座り込んだ。
大きな歓声が聞こえる。
聞こえないようにと耳を塞いだ。
そんな音は私の手を通り抜け、鼓膜へと届く。

本当なら私もあの場所に居たのか。こんな所に居なかったのか。どうすれば良かったのか。そう思えば思うほど心が重くなった、締め付けられた。

私は、この旅に必要だったのか。

左手になにか当たった。
青色にも見える、緑色にも見える深い髪色が視界に映り込む。
長い下まつ毛と鋭い目つきを見た。
彼はしゃがみ込んでこちらを見ていた。
目を細めて、何処かを見つめている。
初対面の時はこんな顔付きだったか。

「ねーねーAさん。みんな勝ったんだぜ。知ってた？何で途中で見んの辞めたの？」
「狩屋。…みんなはきっと守れたんだよね。」
「そうかもな。
はぁ〜俺もオーラ貰えたらなぁ。」
「あの時、本当はお腹痛くなかったんだよね？
霧野先輩に譲ったんでしょ？」
「あ、バレた？やっぱり鋭いな〜」

狩屋。彼は少し変わった人だ。