永劫回帰【イナイレ】 (ページ16)

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変わらないで2 ページ16

「あれ、A！髪切った！？」
「似合ってる、良いね〜」

中学生からずっと髪を伸ばしていたから、当然クラスメイトに囲まれる。
私の新鮮な短い髪型を見慣れないからか、普段そこまで関わりがないような子も過剰に反応していた。

ひとまず鞄を置きたいと不自然にキョロキョロすれば、制服のボタンがズレている姿の勇気が視界に入る。

多分ユニフォームから急いで着替えたのだと思う。
その姿を見つければ否や、ちょっとごめんと軽く輪から抜けた。速歩きで自分の机に向かおうとすれば、左肩をトントンと叩かれた。

察しの付く人物は1人。
その人の右手をガっと直視すれば、手の皮は厚く、大きなタコも出来ていた。

「A、髪切ったよね。」
「うん、まぁ…」
「長い方も良いけどやっぱりAは短い方が良いね。似合ってるよ。」

同じ小学校から上がってきた子はかなり少ない。
だから私のこの髪型を知っている人少数。

勇気は昔こんな気恥ずかしい事は絶対に言えなかった。モジモジと指を絡め、頬を赤らめていた。
なのに他クラスの女子からプレゼントを貰うたび、次第に口調も態度も安定していた。

さっきクラスメイトに言われた事と同じなのに、胸が踊って口が緩むのを感じて、反射的に口を抑えた。
キラキラとした視線を感じ、恐る恐る右を見れば、
先程の女子の集団は私達のやり取りを盗み聞きしていた。手でマイクのような物を作っては私に質問攻めを始めた。

前言撤回。
私の変化にだけは気付いて。
内面の気持ちも、外見の印象も。