永劫回帰【イナイレ】 (ページ12)

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綺麗だね【アフロディ】ページ12

「綺麗だね。」

桜がヒラヒラと舞い落ちる。
春を感じさせる淡いピンク色よりも彼はひどく輝いていた。
こんなこと言うつもりは無かった。
そもそも男の子に綺麗という言葉は違うのかも知れない、それでも彼にはこの言葉が相応しい。

今日は桜を見に来て良かった。
アフロディの事を言った、そう悟られては大変だ。

「そうだね。」

そう言って彼は一度こちらを見た。
目があって、彼は小さく微笑む。
気恥ずかしくなって視線を地面に落とした。
花びらがたくさん落ちている、このまま降り続ければ埋め尽くされるかも知れない。

艶のある薄い金髪、血色の良い肌、パッチリとした瞳、長い下まつ毛。
どの要素を切り取っても彼は美しい。
モデルや役者と疑うほどに彼は美しい。
アフロディと時を共有している今でも女性と勘違いすることがある。その位彼は美しい。

女子である私でさえも彼の美しさにはウットリする。

「あ、A。お団子まだ沢山あるよ。」

穏やかで暖かな風が頬を撫でる。
話し掛けてもらえるだけでこんなに心は飛び跳ねる。彼は男女問わず優しい。
優しく私の名前を呼び、話を振ってくれる。
だから誰もが彼の釘付けになる。

つい見惚れてた、スーパーで買ったお団子だけが有り余っている。

私が唯一知っている桜の種類のソメイヨシノが流れる、もう春だ。

アフロディがお団子を差し出す。
ピンク色が桜の花びらを強調している。
受け取ろうとすると、少しだけ彼の肌に触れてしまう。

アフロディが口を開いた。
桜の花びらと同じくらい、小さく。
何故だか彼の頬がポポポと赤くなる。朝日が照らしているからか、他の理由か。

「綺麗だね。」

何に言ったの。